「飛ぶや飛ばざるや」で世界的な注目を集めている中国『恒大集団』ですが、債務(返済しなければならない借金)の大きさが、『恒大集団』が公表しているものよりずっと大きいと指摘する報道が出ました。
指摘したのは「Goldman Calculates 1 Trillion Yuan In Evergrande Off-Balance Sheet Liabilities」(『ゴールドマンサックス』は『恒大集団』の簿外債務を1兆元と計算した)という記事です。
『ゴールドマンサックス』のリポートでは簿外債務を「1兆60億元」と計算している。
⇒参照・引用元:『ZEROHEDGE』「Goldman Calculates 1 Trillion Yuan In Evergrande Off-Balance Sheet Liabilities」
※有料記事です。
記事タイトルになっている「Off-Balance Sheet」というのは「簿外債務」です。
これは公表されている「balance sheet(バランスシート)」(貸借対照表)に掲載されていない債務を意味します。つまり、(本来あってはいけないのですが)表に出ない隠れ借金です。
まず公になっている債務の方を確認してみましょう。以下が『恒大集団』の公開している2021年上半期末時点での貸借対照表の負債の部です。
上掲のとおり上半期末時点で、負債総額は「1兆9,665億3,400万元」(約33兆8,834億円)です。
『ZEROHEDGE』の記事は投資銀行『ゴールドマンサックス』の「Potential Evergrande off-balance sheet liabilities: key to keep onshore development business a going concern」(『恒大集団』の簿外債務の可能性:オンショア開発事業を継続させるための鍵)というリポートを引いたものです(ただしあくまで簿外債務がそれだけ存在する可能性があるという試算)。
仮にこれが正しいのであれば、『恒大集団』の債務は、「1兆9,665億元(公表されている分)」 + 「1兆60億元(簿外債務分)」で「2兆9,725兆元」(約51兆2,168億円)あることになります。
ほぼ3兆元の債務です。
本当に簿外債務が約17兆円と巨額に上るのであれば、『恒大集団』をどのように処理するのかのシナリオも変更を余儀なくされるでしょう。
※有料記事の中身を詳細に書くわけにいきませんが、『ZEROHEDGE』記事内にはこの1兆60億元の試算の内訳・金額も掲載されています。もしご興味があればご覧ください。
(吉田ハンチング@dcp)