取り上げ損なっていましたが、スルーするにはあまりに惜しいのでご紹介します。
韓国メディア『朝鮮日報』の、
「文政府、87年以降で最も後進的な政権…法治ではない人治」
というタイトルの記事です(2021年12月14日付け記事)。
『延性大学』のソン・ボク名誉教授にインタビューを行い、現在の文政権に対する決定的で正鵠を射た評価を、から引き出した記事です。
ソン先生は自身の生涯の関心事について「後進国だった韓国が第二次世界大戦後、ほとんど唯一、どのように先進国になったのかという点だ」と述べていらっしゃいます。
以下に記事内からソン名誉教授の言葉を引きます。
(前略)
――韓国の発展は「民間企業の力」のおかげなのか?ソン名誉教授「そうです。(中略)ところが、文在寅政府は、発足後、ずっと民間企業を抑圧し、断罪し、公企業や公務員だけを増やしている。公務員の増加は国家発展の危険信号である。
――文在寅政府の国政運営を評価すれば?
ソン名誉教授「1987年体制発足後30年ぶりに最も後進的な政府で、アマチュアにも劣ります。
国民の要求と時代の精神からかけ離れたままで、1980年代の「運動圏の理念」と頭の中で政策を展開している」
ここまではっきりと言い切るのは清々しほどです。
文大統領が1980年代の活動家のような精神で、頭の中だけでしか通用しないような政治を行っているというのは、全くそのとおりです。左派政権というのは得てしてそういうものです。日本もかつて危険なときがありました。悪夢の『民主党』政権時のことです。
また、次の部分も注目に値します。
(前略)
左派政権の限界かと問う朝鮮日報に対し、ソン教授は「今政権は進歩と言うこともできない。保守と進歩の共通点は法治であるが、文在寅政権は一方的な脱原発強行で見るように、法を自分たちの好みどおりに解釈して執行する」
とし、
「法治ではなく、人治政権だ。
法、制度を無視して親疏関係と好悪感情に基づいて国政を運営するのは、敗北文化であり、中世国家への退行だ。
今政権は進歩ではなく守旧左派に過ぎない」
と批判した。
(後略)
全くソン名誉教授のおっしゃるとおりです。ただ、「法治ではなく人治である」は文政権で特にひどくなりましたが、韓国代々の政権はみなそうであってのではないでしょうか。
また、「保守と進歩の共通点は法治」とされていますが、韓国については果たしてそうでしょうか?
ソン名誉教授は、
「1948年の大韓民国政府樹立以前、韓国は中世社会だった」
「その後も6.25戦争(朝鮮戦争)で国が灰の山になり、きちんとした近代と現代の《伝統》がなかった」
ともおっしゃっていますが、これには異議があります。日本統治下の朝鮮半島にはきちんと法治があったはずです。韓国の法は日本の法を基にしたものばかりですが、これは日本統治がきちんと法を重んじていたからに他なりません。
ソン名誉教授のご意見は文政権の無茶苦茶を的確に批判しているでしょうが、ご自身の生涯の関心事「なぜ韓国が先進国になり得たのか」の分析について「日本の統治が基礎にあったから」あるいは「日本の果たした役割の大きさ」といった視点が盛り込まれているのか、について伺ってみたいですね。
(吉田ハンチング@dcp)