先にご紹介済みの、『全国経済人連合会』が繰り出した「ウォンは基軸通貨になれる」という主張ですが、これが次期大統領選挙にも飛び火しております。
李在明が「できる」と言ってしまう
国民に受けると判断したのか、政府与党『共に民主党』の李在明(イ・ジェミョン)候補が2022年02月21日に行われたテレビ討論会で「ウォンはすぐに基軸通貨になれる可能性が高い」などと言ってしまったのです。
「韓国は国債比率がGDP比半分にも及ばず、基軸通貨国になる可能性が非常に高い。それだけ経済力水準が高い」
※中央選挙管理委員会で主管するテレビ討論会で発言
「この人は本当に大丈夫なのか」という話なのですが、このような認識を持つ方なのに「経済大統領になる」などと称しているのです。
「経済通」が聞いて呆れると批判殺到!
案の定、野党『国民の力』、広く国民からも「経済に対する基礎知識がない」などの突っ込みが殺到しています。
あまりの無知蒙昧さに呆れたのか、韓国メディア『朝鮮日報』が経済学の先生方にインタビューした記事を出しています。以下に一部を引用します。
(前略)
基軸通貨になるには海外で欲しいと思われる貨幣にならなければならない。『韓国銀行』の関係者はしかし「外国でウォンを外国為替保有額(外貨準備のこと:筆者注)として持っているという話は聞いたことがない」と話した。
ソン・テユン『延世大学』教授は「国債を大量に発行しても貨幣価値や国家信用度が揺れないと名実共に基軸通貨とはいえない。そのような貨幣は世の中にドル以外にはないと見なければならない」と話した。
チョ・ジャンオク『西江大学』名誉教授は「アメリカ合衆国は莫大な貿易赤字で世界中にドルをまいている。同じ『通貨のグローバル化戦略』が可能であれば基軸通貨といえるが、韓国がそのような巨大な貿易赤字を許容することが可能だろうか」とし「中国のように大きな国が努力しても、人民元を基軸通貨にできないのが現実だ」と話した。
チョ名誉教授は「ウォンが基軸通貨になるというのは、国民を相手に希望的観測を語っているに過ぎない」と話した。
キム・ジョンシク『延世大学』名誉教授は「韓国はさまざまな外国為替関連規制のせいで資本の入出が自由ではなく、そのためウォンは国際通貨としても認められないが、それより一段上の基軸通話になるというのはあまりにも遠い話だ」とし「北朝鮮と関連して危険が継続している国の貨幣が基軸通貨になるのは現実と合わない」とした。
『韓国銀行』関係者が登場して「外貨準備でウォンを持っている国があるという話を聞いたことがない」と証言しているのがナイスなポイントです。
当然のことですが、どの先生も冷笑して「一蹴」です。
国民に受けると思ったら、実現可能性はゼロなのに平気で希望的観測を述べる。こういうのは「ウソつき」とは言わないのでしょうか。「できないことはできない」となぜ認めないのか不思議でなりません。
恐るべきことに、この李在明(イ・ジェミョン)さんは韓国では一応「経済通」と認識されているのです。
言ったのはキミだ♪キミだ♪
さすがに発言に対する批判が大きく、23日になって、李在明(イ・ジェミョン)さんは「基軸通貨発言は、『全国経済人連合会』がそのような発表をしたから」と取り繕いました。
Money1でもご紹介したとおり、『全国経済人連合会』の発表があったのは事実ですが、その時点で「あり得ない話」だったわけです(以下記事)。
それを「できる」とペラペラしゃべってしまったのは李在明(イ・ジェミョン)さんの責任です。
『全国経済人連合会』のリポートを「できないことを強弁している」とは見ずに、できると信じてしまうという点で経済通などではありません。李在明(イ・ジェミョン)さんはすっかり馬脚をあらわしてしまいました。
この人は、あり得ないことだろうが、大衆に受けて自分への支持が高まるなら平気でウソも言うのです。もっとも今に始まったことではないですが。
(吉田ハンチング@dcp)