「要求が入れられないなら配達しない」と韓国のトラック物流が止まっていた件です。
『全国民主労働組合総連盟』傘下「貨物連帯本部」と韓国政府の間で話がついたので、ストライキは解消。2022年06月15日午前中には決着したので、その日からそろそろと物流が動き出しました。
とりあえずは良かったのですが、被害額はちっとも良くありません。
韓国メディア『毎日経済』の記事から被害について指摘した点を以下に引用します。
(前略)
企業は今回のストライキで1兆6,000億ウォンを超える経済的損失と共に納品遅延による契約解除、それにより発生した違約金、取引先との関係悪化などの被害を被った。
(後略)
1兆6,000億ウォンの直接的な被害だけでなく、「契約解除」「違約金」「取引先との関係悪化」などの被害が発生したとのこと。
これをどうやって回復するのかが問題です。個別企業が受けた被害について補てんしろと労働組合を告訴することはできるでしょうが、実際やるかという話です。また政府は行えないでしょう。
また、まだ火種はくすぶっているのです。
政府は焦点となっていた安全運賃制を延長する方向で労働組合と合意しましたが、それを行うためには国会での同意が必要です。
国会では、野党に転落した『共に民主党』がいまだに議席の過半数を押さえていますので、同党が(嫌がらせで)反対すると合意が達成できない可能性があります。
その場合、「貨物連帯本部」はまたぞろ「無期限ストライキ突入」をほのめかすことになるでしょう。
――というわけですので、ストライキは一応終わったのですが先行きはまだ不透明なのです。国会で過半数を押さえていない尹錫悦(ユン・ソギョル)政権は大変です。
(吉田ハンチング@dcp)