2022年06月30日、『韓国銀行』が「外国為替当局の純取引(2022年第1四半期)」というデータを公表しましたが……これが衝撃的な中身です。
以下がプレスリリースです。ご覧ください。
22年第1四半期中に市場安定化のために外国為替当局が外国為替市場で実施した外国為替取引額
○外国為替純取引額:-83.11億ドル⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト
2022年第1四半期で、韓国通貨当局は外為市場において、純取引額「-83.11億ドル」となっています。
これは「買収 – 売却」の純買収の金額を表していますので、「83億1,100万ドル」を売り越したのです。
つまり、韓国の通貨当局は「ウォン安の進行」を抑えるために、ドル売りウォン買いを行って83億1,100万ドルを溶かしたのです。
チャートで確認してみましょう。以下をご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用)。
ドルウォンの心理的抵抗線と見られる「1ドル=1,200ウォン」が水色の線ですが、第1四半期にはこれを小さく越えだし、03月04日に大きく上に突破(終値は1,217.45ウォン)。
上昇は以降も続いて、03月15日の始値が「1ドル=1,242.01ウォン」(これが第1四半期の日足ローソク足実体線での最高値)。
この突然訪れたウォン安方向への進行で、為替介入を行いドルを溶かしたのではないでしょうか。
ちなみに、このドルの溶け具合は四半期レベルで韓国史上最大です(といっても統計が集計されだしたのは2019年第3四半期からなのですが)。
2021年第3四半期:-71.42億ドル
2021年第4四半期:-68.85億ドル
2022年第1四半期:-83.11億ドル
これまで最高にドルを溶かした2021年第3四半期の「-71.42億ドル」より「11.69億ドル」も多くドルがなくなっています。
しかし……です。再度チャートを以下に貼るのでご覧ください。
心理的な抵抗線と見られる「1ドル=1,200ウォン」を抜く過程で「83.11億ドル」溶かしました。
「今ココ」はもはや「1ドル=1,300ウォン」寸前です。
奇しくも、この記事を書いている2022年06月30日は、第2四半期の最終日ですが、韓国通貨当局は、この第2四半期にいったいいくらドルを溶かしたのでしょうか?
(吉田ハンチング@dcp)