「香港人権・民主主義法」とは?

アメリカ合衆国では香港のデモ騒動が大きく取り上げられており、中国による民主主義弾圧への反撃、その象徴的な出来事と捉えられています。このデモ騒動によって中国の人権侵害へ注目が集まり、2017年に議会に提出された「Hong Kong Human Rights and Democracy Act」(「香港人権・民主主義法」と訳されます)が下院で議論されることになりました。

この「香港人権・民主主義法」はまだ法案(bill)の段階ですが、超党派の議員の賛成を得て早期に可決されるだろうと目されています。

「香港人権・民主主義法」は国務省・大統領に要求する

この法案には以下のようなACTIONを骨子としています。

Reaffirm the principles set forth in the United States-Hong Kong Policy Act of 1992, including support for democratization, human rights, and the importance of Hong Kong remaining sufficiently autonomous from China to justify different treatment under US law.

1992年の「合衆国-香港政策法」に定められた原則を再確認する。これには、香港における民主主義、人権、および十分に自立していることの重要性をもって、合衆国の法の下に中国とは違った待遇を受けるものとすること、を含む。

Reinstate the requirement for the Secretary of State to issue a report on conditions in Hong Kong of interest to the United States, including developments related to democratic institutions in Hong Kong, no later than 90 days after enactment and every year through 2023.

制定後90日以内および2023年までの毎年、香港における米国の利益に関する条件についての報告書を国務長官に発行することとする。この報告書には香港の民主的制度についての動向を含むものとする。

Require the Secretary of State to certify that Hong Kong is sufficiently autonomous before enacting any new laws or agreements affording Hong Kong different treatment from the People’s Republic of China.

香港について中華人民共和国と異なる扱いをする新しい法律、協定を制定する前に、国務省は香港が十分に自立していることを確認すること。

Require the President to identify persons responsible for the surveillance, abduction, detention, or forced confessions of certain booksellers and journalists in Hong Kong, and other actions suppressing basic freedoms, and to freeze their U.S.-based assets and deny them entry into the U.S.

大統領は、香港の特定の書店、ジャーナリストに対して監視、拉致、拘禁、強制告白を行責任者を明らかにすること。また、基本的自由を抑圧したりなどの行動については、その者の合衆国における資産を凍結し、その者の合衆国への参入を拒否すること。

Make clear that visa applicants who resided in Hong Kong in 2014 shall not be denied visas on the basis of the applicant’s arrest, detention or other adverse government action taken as a result of their participation in the nonviolent protest activities related to Hong Kong’s electoral process.

2014年香港に居住したビザ申請者は、香港の選挙に関する非暴力的な抗議活動に参加したとして逮捕されたり、拘留されたり、その他の不利となる政府の措置を受けたことがあっても、それを理由にビザを拒否されることがないものとする。

⇒データ引用元:『TOM COTTON』(アラスカ選出上院議員)公式サイト
https://www.cotton.senate.gov/?p=press_release&id=538

このように同法案では、国務省には「中国とは違う優遇措置を受ける」からには「香港が中国から十分自立していること」を確認するようにと提言。大統領には「香港の自由、民主主義」を圧迫する者、その責任者を明らかにし、合衆国法においてできる制裁(資産凍結・合衆国への参入拒否)を課すよう要求しています。

ちなみに同法案は、共和党のマルコ・ルビオ議員(Marco Antonio Rubio)とクリス・スミス議員(Chris Smith)が提案したもの。以前、Money1でもご紹介したことがありますが、ルビオ議員は中国に圧力を加える幾つもの法案を提出している対中国強硬派の急先鋒として有名です。

⇒参照記事:『Money1』「中国に技術を漏らすな! ノーモア技術泥棒!で法案提出」
https://money1.jp/?p=6166

(柏ケミカル@dcp)