2023年01月27日、韓国の尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は歴史的ともいうべき発言を行いました。
統一部・行政安全部・国家報勲処・人事革新処の業務報告を受ける会議を行ったのですが、第20代大統領室は「会議における尹錫悦大統領の発言」として、また異例の長いプレスリリースを出しています。
この中の、北朝鮮との統一について述べた箇所を引用します。
↑Googleの自動翻訳なので日本語がヘンなところがありますがご寛恕ください。(前略)
私たちの憲法は、我々が現在実効的に支配していない北朝鮮地域を「韓国の領土」と規定しており、したがって、北朝鮮地域に住む北朝鮮住民を韓国国民として認めています。そのため、私たちが実効的に支配していないその地域について、私たちがどのように取り扱い、また今後どうするかを研究し、政策を確立することが統一部といえます。
私たちはそれを「未来の統一」という概念として見ていますが、北朝鮮問題、北朝鮮の住民問題を扱うのも統一部の重要な仕事であり、未来の統一だけを扱うものではないことをよく知っていただきますようお願いします。
統一しようとすれば、全てが変わらなければなりません。北朝鮮が変わらなければならず、周辺状況が変わらなければならず、また私たちも統一ができるような経済的、社会的、文化的、場合によっては軍事的能力まで、全てそろえなければなりません。
統一への準備が果たして何かについては百人百様で見方が異なるでしょうが、とにかく統一というのは準備してできることであり、ただ統一がなるというわけではないことは皆さんご存知でしょう。
しかし、準備するからといって、準備が進むスピードによって統一が行われるのではなく、統一は突然訪れるでしょう。
しかし、準備された場合にのみ統一を実現できるのです。
私は統一問題に対して感性的なアプローチ、もちろん私たちが基本的に同じ韓民族だと思うのはいいのですが、感性的なアプローチよりは冷徹な判断、そして準備、こういうことにもう少し関心を持ってほしいと要望します。
そして北朝鮮の政治・経済・社会・文化 このような全ての情報について統一部がさらに多く研究し、その実情を対外的に多く公開する、私たちの国民は北朝鮮について知る必要があります。
ところが、今、私たちの国民は北朝鮮についてよく分かっていません。
メディアでその実情をうまく扱っていません。
それで、どのやって統一しますか? 口で統一すると言うだけではできない。
私たちが実効的に支配していない北朝鮮と私たちが同じ民族であるので一つの政治・社会共同体に進むと言う。国民が知らないなら統一は言葉にならないでしょう。
(中略)
統一部では本当に関心を持って脱北者をよく助け、「私は中央仏公務員だから誰それに任せる」、 そう考えないで、脱北者を通じて得たさまざまな情報を統一のために活用し、また全国民が共有できるように全て公開しなければならないと思います。
私は、北朝鮮人権問題も人権そのものを超えて、もちろん北朝鮮住民の人権も重要ですが、私たちの国民が、また全世界の人々が北朝鮮人権の実状と北朝鮮の政治・社会状況を知って共有するということがより重要だと思います。
統一の正当性と名分がどこにあるのか、統一はどのような方法にならなければならないのか、それは「より良い方でなければならない」のではないでしょうか。
もし北朝鮮が今、私たちの南よりもよく暮らしていればそちら中心にならなければならないでしょうし、南がはるかによい暮らしをしているのなら、南の体制とシステムを中心として統一しなければならないのが常識ではないでしょうか。
そのためにも、周辺国や全世界、韓国国民が、また北朝鮮住民もできるだけ実状を正確に知る必要があると思います。
これが出発点であるため、統一部で正確に把握し、細かく研究し、たくさん広報し、国民、また全世界の人々、北朝鮮住民が共有できるようにしなければならないと思います。
(後略)
韓国の憲法では、現在北朝鮮となっている地域も韓国の領土であり、従ってそこで暮らす人も韓国の国民である――という建て付けになっています。
つまり、北朝鮮に住む韓国民を支配している金正恩総書記、および『朝鮮労働党』というのは、韓国の憲法上は非合法な反政府組織――ということになるのです。
今回の尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の発言は、「統一」とは言うものの北朝鮮のことをよく知らず唱えるばかりで、北朝鮮の独裁体制に阿るばかりだったこれまでの政権の欺瞞を鋭く突いています。
「同じ朝鮮民族だから統一」とか、そういう感性的(感情的)な言葉をやめろ、それよりも「冷徹な判断」と「準備」だ――と述べました。
北朝鮮の人権問題には目をつぶり、北朝鮮の正当性などと言い立て、まるで韓国が北朝鮮に吸収された方がいいといった「統一」への言動をしてきた(特に左派・進歩系)政権へ、完全に「駄目出し」をしたわけです。
「南がはるかによい暮らしをしているのなら、南の体制とシステムを中心として統一しなければならない」と述べています。
これは「韓国によって北朝鮮を吸収して統一するのが良い」という明言に他なりません。
1980年代、韓国では「今にも統一がなる」と盛り上がったことがありました。しかし、90年代になると、とたんに「今すぐ統一しなくてもいいんじゃないかな」と雰囲気が一変。
なぜかというと、北朝鮮の悲惨な実情が徐々に知られるようになったからです。現金なものですが、それでも時の政権は「北朝鮮との融和」を唱え続けました。
「おい、現実を見ろよ! 本当にあんな国と統一したいのか。統一するにしても韓国が北朝鮮を吸収するのが常識だろ」というのが今回の尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の発言です。
これは、つまり「北朝鮮現体制の解体によって統一する」と言ったのも同然です。
尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領がこれまでの大統領と違うのは、このような現実的な意見が言えるところです。恐らく、北朝鮮(また南朝鮮にいる北新派)は反発するでしょう。しかし、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は怯むべきではありません。
仮に戦争になってもやり抜き、北朝鮮の現体制を崩壊させるべきです。そうなって初めて「反日種族」などという情けない、後ろ向きなアイデンティーではなく、「朝鮮半島を統一した独立国」という真に誇れるアイデンティティーを確立できるはずです。
(吉田ハンチング@dcp)