先にご紹介したとおり、中国軍の戦闘機が南シナ海でカナダ軍のヘリコプターに対してフレアを発射するという騒動を起こしたことが分かりました。
自由主義陣営国はこれに対して非難の声を挙げていますが、中国は盗人猛々しい声明を出しています(上掲の先記事に中国外交部のコメントがありますので参照してください)。
そもそも「南シナ海のほとんど全て」を自国の領土・領海だと主張する中国こそが国際法違反を犯しているのです。
中国共産党の英語版御用新聞『Global Times』は、「カナダ軍は分をわきまえろ」という主旨の記事を出しています。同記事から一部を以下に引用してみます。
カナダは最近、中国人民解放軍(PLA)による「危険な」傍受を繰り返し大げさに報じているが、専門家は日曜日に、PLAの合法的な行動は中国の目の前で行われたものであり、カナダの盲信は自国のトラブルにつながりかねないと述べた。
最近の出来事では、カナダ海軍のフリゲート艦HMCSオタワの艦載ヘリコプターが、意図不明のまま西沙諸島上空の中国領空に接近、中国国防省の報道官である張暁剛上級大佐(上掲の人物:引用者注)は、土曜日のプレスリリースで、カナダのヘリコプターは応答を拒否しただけでなく、非常に低い高度で飛行するなどの挑発的な行動を取ったと述べた。
カナダの動きは、中国の国内法および関連する国際法に違反し、中国の主権安全を侵害し、下心のある悪質な挑発行為である、と張氏は述べた。
(中略)
中国側がとった措置はプロフェッショナルで標準的なものだと張氏は述べた。
彼はカナダ側に対し、事実を無視し、誇大に宣伝することをやめ、最前線の海軍と航空部隊の活動を厳しく制限し、海上と空中での事故を未然に防ぐよう促した。
(中略)
「カナダは西側の主要国だと盲信しており、自国の能力を高く評価しすぎている。「実際、カナダが中国とトラブルを起こし続ければ、カナダ自身がトラブルに巻き込まれる可能性がある。
(中略)
PLAに比べれば、カナダの中国近辺での軍事プレゼンスは取るに足らない。
カナダは自らの限界を知るべきであり、アメリカ合衆国の利益のために火中の栗を拾うようなことはすべきではない」と張学峰は述べた。
⇒参照:『Global Times』「Canada’s military provocations on China’s doorstep to backfire: experts」
「カナダは西側の主要国だと自らを盲信しているが、カナダのプレゼンスなど取るに足らない」と、すっかりカナダの力を下に見ています。
中国は、「小国」と見た国をこのように扱うのです。唯々諾々と中国の言うことに従っていると、どんどん譲らなければならなくなるのです。もう何度だっていいますが、中国共産党に対して「話せば分かる」などと考えてはいけません。
(吉田ハンチング@dcp)