フィリピン・中国の対立が、アメリカ合衆国・日本・オーストラリアの連帯を強化する方向へ向かわせています。
合衆国からすれば、フィリピンを中国の支配下に置くことはできず、また自由主義陣営国からしても同様です。
↑マニラに到着した日本の海上保安庁の「あきつしま」(2023年06月01日)
中国は何がなんでも合衆国・日本・オーストラリアなどの連携を阻まなければなりません。中国にとって最悪は、東南アジアの国々、太平洋の国々もが団結し、一致して中国に圧力を加えることです。
2024年03月19~21日、重要な会議が開催されます。中国の無法な行為をみんなで阻むためのものです。簡単にいえば中国包囲網の構築です。
このような情勢に下、中国共産党の英語版御用新聞『Global Times』が興味深い記事を出しています。以下に一部を引用してみます。
(前略)
日本は、19日と20日に東京で、南太平洋地域の14の島嶼国の防衛大臣と安全保障支援に関する多国間会合を開催する。『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』(SCMP)によると、この会議には日本の自衛隊と警察が参加し、現地や地域の対応や訓練に参加する予定だという。アナリストたちはいくつかの報道で、中国がこの会合の主なターゲットであることを示唆している。
要するに、日本の「安全保障支援」は、中国に対抗するための努力のように見えるのだ。
(後略)⇒参照・引用元:『Global Times』「Japan attempts to bring Pacific islands into a ‘Indo-Pacific quagmire’」
「日本の「安全保障支援」は、中国に対抗するための努力のように見えるのだ」と書いています。
見えるも何も「全くそのとおり」です。対中国のための連携を深めるためのものです。「そのとおりですけど何か?」ですね。
傑作なのは以下の部分です。
(前略)
黒龍江省社会科学院北東アジア研究所のDa Zhigang所長は、「実際、日本は長い間、自衛隊に対する日本国憲法の制約を徐々に突破してきた」と語る。海上自衛隊のウェブサイトには、その任務が「海に囲まれた日本の生命線である海洋の安全かつ自由な利用を守ること」であると記されている。
当初は沿岸防衛に重点を置いていた海上自衛隊は、今や世界で最も強力な海軍のひとつとなり、本来の目的から大きく逸脱している。
(後略)⇒参照・引用元:『Global Times』「Japan attempts to bring Pacific islands into a ‘Indo-Pacific quagmire’」
自衛隊の目的が「本来の目的から大きく逸脱してきた」などと書いています。その理由というのが以下です。
(前略)
専門家は、日本の自衛隊は純粋な防衛的役割から、反撃や攻撃作戦のための能力構築にシフトしていると指摘する。自衛隊の参加を見れば、日本の太平洋島嶼国への援助が利己的な動機に基づくものであることは明らかだ。
『SCMP』はまた、日本の今回の行動を「数十年にわたる太平洋政策から一歩踏み出し、辺境だが戦略的に重要な地域での中国の取引に対抗する」と要約している。
(後略)⇒参照・引用元:『Global Times』「Japan attempts to bring Pacific islands into a ‘Indo-Pacific quagmire’」
自衛隊は自国の防衛ではなく、中国の取引に対抗するべき動いているのだ――という、自分たちがやっていることを棚に上げた主張をしているのです。
しかも小賢しいのは、『SCMP』(サウスチャイナ・モーニング・ポスト)がそう言っているよ――という体をとっていることです。
『SCMP』はもともと香港メディアですが、読者の皆さまもご存じのとおり、もはや香港には報道の自由などありません。このような中国政府を代弁するような記事を出すほどに落ちぶれています。
南太平洋の島嶼国家が小さいが故に、お金の力で中国べったりになるのを防がないといけません。それというのも、中国が無法な主張を行っているがためです。日本の自衛隊が参加するとしても、自国の安全保障に資するためですから当然です。
中国から自国を守るためです。これを「利己的だ」などと批判されるいわれはありません。なぜ日本がそのような動きに出ているのか、中国自身が我が身を振り返って、反省すべきなのです。
中国がビビって話題にしているのは「日・太平洋島嶼国国防大臣会合」(Japan Pacific Islands Defense Dialogue:JPIDD)」。
↑2024年03月15日に日本の防衛省が出したプレスリリース。
今回で第2回目で日本・東京の『椿山荘』などで行われます。
どんな成果が出るのか要注目です。
(吉田ハンチング@dcp)