アメリカ合衆国と中国の対立が激しさを増しており、台湾を巡る情勢も急展開しています。2020年09月第3週目は特に台湾について緊迫しました。
合衆国は台湾との関係を促進する
2020年09月17日にキース・クラック国務次官(Keith J. Krach:経済成長・エネルギー・環境担当)が台湾訪問。合衆国議会には「台湾侵略防止法」、「一つの中国原則を破棄して台湾と正式に国交を結ぶべき」という決議案も提出されました。
「合衆国は台湾をATMにしたいだけだ」と論評
これに対して中国は、台湾の防空識別ゾーン(AIDZ)に戦闘機を侵入させる、軍事演習を行うなどの威嚇を行いました。
台湾を巡り合衆国、EU加盟国が「中国の『一つの中国原則』」に露骨に挑戦しているため、中国は御用メディアで「台湾独立は許さない」「台湾問については中国の内政問題だ」と叫び続けています。
前週の台湾情勢の急展開を受けて、2020年09月21日、『人民日報』に「中国は、中国の内政についてのいかなる外部干渉も容認しない」という記事が出ました。一部を以下に引用します。
(前略)
最近アメリカ合衆国と台湾は頻繁に相互に交流を行っている。合衆国は「台湾カード」を積極的に利用しており、台湾に武器を売り、政府の役人が台湾を訪問したのはその顕著な例だ。一部の台湾メディアは、合衆国当局者の台湾への頻繁な訪問の理由は明白であると指摘した:
「一つは経済的利益だ。
合衆国は台湾との協力について話しているが、実際には一方的に台湾を「現金自動支払機」として使用したいだけなのだ。
もう一つは政治的利益だ。
合衆国は「台湾カード」を用いることによって中国を封じ込めるという戦略的目標を達成しようとムダに試みてる」
台湾問題に関する合衆国の自覚的で無謀な行動は、中米関係と中国の国家主権と領土保護における台湾問題の重要性を過小評価している。
(後略)⇒参照・引用元:『人民日報』「中国は、中国の内政についてのいかなる外部干渉も容認しない」(原文・中国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による
『人民日報』は中国共産党の御用新聞ですので、これは「前週の台湾・合衆国の動き」についての中国の論評といえます。
台湾を「現金自動支払機」として利用したいのは中国共産党の方ではないのか、と疑問が湧かないではありません。
また、「中国を封じこめようとムダな努力をしている」には恐れ入りますが、中国を封じ込めているのは居丈高な態度で全方位にケンカを売っている中国自身です。
歴史は繰り返すといいますが、そろそろ態度を改めないと、清朝末期のように諸外国の連合軍によってコテンパンに殴られるかもしれませんよ。
(吉田ハンチング@dcp)