2024年07月05日、アメリカ合衆国・イリノイ州にある『Napleton Aurora Imports(ネイプルトン・オーロラ・インポート)』社と同社のフランチャイズ店が『現代自動車』(のアメリカ法人である『HYUNDAI MOTOR AMERICA CORPORATION (略称:HMA)』)を告訴しました。
以下が訴状です。
(『Reuters(ロイター)』が入手した)この訴状によると、訴訟を起こした理由は(NATURE OF THE CASEの中にある)12の主張のうちの1~4に現れています。以下に引用してみます。
1. 本訴訟は――、
HMAは秘密かつ違法なプログラムを行い、公表された販売台数を人為的に水増しした。その一方で、水増しした現代自動車ディーラーに、水増しを拒否したディーラーに対する競争上の優位性を与えるという行為
――に対するものである。
こうした虚偽の売上を背景に、HMAは前年比売上増と電気自動車(EV)部門での成長を誇示するプレスリリースを次々と発表してきた。
ネイプルトンのように、「HMAが偽の販売台数を増やす」のを拒むディーラーは、売れ行きの鈍い車両の割り当てを行われて罰せられ、消費者に提供する卸売価格の値引き、割り当て、小売価格の値引きを拒否される。
その結果、競争が阻害され、ネイプルトンも一般消費者も損害を被ることになる。
2. HMA は米国におけるヒュンダイ自動車の独占販売業者であり、韓国のメーカーである『Hyundai Motor Company(ヒュンダイ・モーター・カンパニー)』(以下「HMC」)が全額出資している。
HMAは、ネイプルトンを含むフランチャイズ・ディーラーに対し、実質的な経済力と影響力を享受している。ネイプルトンのようなディーラーは、HMAが、そしてHMAのみが販売する自動車のマーケティングと販売に向けたディーラーを立ち上げ、運営し、維持するために、多額の資本を投資しなければならない。
しかし、この投資はHMAの誠意と公正な取引にかかっている。
3.親会社であるHMC(韓国の『現代自動車』)からの圧力により、HMAは全国での販売台数の増加、あるいは少なくとも小売販売台数が増加しているように見せることに特に重点を置いている。
HMCとHMAは、投資家、債権者、買収の可能性のあるパートナーに対して、売上が伸びていると宣伝している。
4.特に、HMAは、ヒュンダイブランドのEVの販売台数の伸びを強調し、ヒュンダイのEVの魅力とこれらの車に対する顧客の需要により、EVの販売台数の増加が有機的に起こっていると世間に信じ込ませている。
(後略)
この訴状は、『現代自動車』が合衆国でどのような偽装工作を行っているのかを暴露したもので、隅々まで非常に面白い内容です。上掲のリンクで『Reuters(ロイター)』が入手した訴状を見ることができます。もし興味があれば、ぜひご一読ください。
この提訴に対して『HMA』は、販売データの改ざんを容認せず、疑惑の報告を受けて調査を開始したと声明を発表しました。
「自分でやっておいて何それ」という話なのですが、さらには「南フロリダで性的暴行容疑に関連してネイプルトン関連のフランチャイズ2店舗の営業を停止する訴訟を進めている」とも。訴訟の取引材料にでもする気でしょうか。
今回の提訴内容が真実であれば、『現代自動車』米国法人の信用は大きく揺らぐことになるでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)