2024年10月11日、国慶節の連休明け、第4日目の中国株式市場が締まりました。注目の上海市場はさらに下落しました。以下をご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用:以下同)。上海総合です。
11日(金)の終値は「3,216.84」です。前日終値が「3,301.93」ですから、前日終値から「約-2.58%」です。
3日前、国慶節明け2日目(10月09日)の「約-6.5%」の暴落よりはマシですが、プチ暴落と呼んでいいレベルではあります。
ローソク足1本が1カ月の値動きを示す「月足」で見ると以下のようになります。
まだ11日(金)が終わった時点ですが、10月のローソク足は長い陰線になっています。前月の長い陽線の終値をすでに下に抜きました。
国慶節が終わるや否や、大暴落が起こったわけですが、欧米の投資家からすれば「だから言ったでしょうが」です。
中国の株式市場は、中国内の個人投資家が多いので、この結果を受けて中国では阿鼻叫喚の地獄絵図になっています。
09月24日から始まった上海市場の上昇は、市場が休場となる直前、09月30日(月)まで続きました。異常な上昇です。
これは、先にご紹介したとおり中国のナショナルチームなどが中国の威信(大笑)を懸けて資金を投入した結果です。
この異常な上昇に、個人投資家が乗ってしまいました。中国のSNSで「今が千載一遇のチャンス」などと煽り、それに騙されて資金投入するポンコツが激増。なにせ、一度も株式の売買を行ったことがない人まで証券口座をつくる始末。
連休中にあちこちからお金を借りて※「玉」をつくり資金投入する人々が、よせばいいのに国慶節明けの10月08日(火)にもお金を突っ込んだのです。
※自宅を担保に入れたり、知人、親族に無理にお金を借りたりなどの話がSNSにあふれています。
↑SNSに上がった中国人の動画の例。株価が下がって「何もかも失った」と泣きわめいています。
しかし結果は上掲のとおりで、08日はなんとか前日割れを免れましたが、長い陰線となりました(これは「この日も」上がると思って資金投入をした人たちが多かったことを示しています)。
↑法輪功系の歌舞いている中国語メディア『看中国』が非常に面白い動画を出しています。中国語が分かる方はぜひご覧ください。激昂する、すすり泣く中国の皆さんが見られます。「泣いてもいいさ。私は昨日100万元を投入した新しい投資家だが、今日はもう26万元しか残っていない。あなたと同じだよ。昨日、数十万元の利益が出ていたのに大半を売らずに持ち越したら、今日は全部吹き飛んだ。私も30%の損失だ」。利益どころか元本も吹き飛ぶ始末
この個人投資家がペテンにかかった裏で何が行われていたかというと、企業の自社株売りです。つまり異常に株価が上がり、ボンクラが大量に釣れたので、高値のうちに売ってしまえ――というわけです。「大漁だぜ、ホクホク」ですね。
まあ、株価が絶対に戻らない――とは断言はできませんが――何が残ったのかというと、不要な負債を抱えた大量の個人投資家です。
株価が戻らなければ、購入した株式は含み損を抱えることになり、信用取引ならどこかで追証が掛かって、それがカバーできない場合には大量売り(損切り)が発生することになります。また、玉をつくるときに借りたお金は当然返せません。
まさに大笑いな地獄絵図――というわけです。
2024年10月12日、中国当局は巨額の景気対策を打ち出す――とされています。
株価が上がるといいですね。
(吉田ハンチング@dcp)