国際収支統計には、「知的財産権等使用料収支」(Balance of charges for the use of intellectual property)という項目があります。
サービス収支の中にある計上項目ですが、特許、商標権、著作権、フランチャイズ、ライセンス契約などの知的財産権の使用に関する支払い(輸入)と受け取り(輸出)の差額(輸出 – 輸入で求める収支)を示す項目です。
当たり前ですが、有用な特許・商標権・著作権などの知的財産権をたくさん持っていた方が、それらについての外国からの支払いが大きくなり、黒字が出ます。
暫定ながら2024年通年のデータが締まったので、韓国の金額推移を見てみましょう。
⇒データ出典:『韓国銀行』公式サイト「ECOS」
1980~2024年の金額推移ですが、上掲のとおり、韓国は1年たりとも黒字にったことはありません。数字は全部「0」の下にあります。直近の2024年は「-39.1億ドル」。
↑黄色のマーカーが2024年の知的財産権等使用料収支。2024年
知的財産権等の輸出:93億5,260万ドル
知的財産権等の輸入:132億6,020万ドル
収支:-39億760万ドル⇒データ出典:『韓国銀行』公式サイト「ECOS」
韓国は、知的財産権において支払ってもらう金額より、外国に支払う金額の方が多いのです。
ときどき韓国から「K-POPや映画などで知的財産権の使用料として黒字になりました」などの報道が出ることがありますが、それは限定した範囲内での話であって、国際収支統計で見るとこうなります。
つまり、国として持つ知的財産権がまだ弱々なのです。
(吉田ハンチング@dcp)