韓国を建設不況に陥れた「不動産PF(プロジェクト・ファイナンス)」問題ですが、現在は「喉元過ぎれば熱さ忘れる」を地で行くような状況となっています。
しかし建設業界は低迷を続けていますし、決して危機が去ったわけではありません。
2026年07月03日「不動産プロジェクト金融(PF)状況チェック会」を開催、長いリポートを出しています。
全文和訳すると重くなって読者の皆さんも読むのが面倒くさいでしょうから、控えますが、今回のリポートでは「全体は改善している」と見せています。
ところが、細部にはかなり強い警告サインを見ることができるのです。細部にこそ真価が宿るのです。
本当に軟着陸なのか? 不良債権化の加速を警戒している!
何よりも注目点は、韓国金融当局が「PFは軟着陸中」と説明しながら、実際には不良化の再加速を警戒している点です。
最大のポイントは「PFエクスポージャー全体は減っていますが……」という点で、2024年06月末の「216.5兆ウォン」から、2026年03月末の「169.8兆ウォン」まで縮小しています。
これは一見すると改善です。
しかし同時に、2026年03月末のPF延滞率は4.65%へ上昇し、前四半期比で+0.77ポイントです。
さらに「要注意・不良懸念」与信も14.7兆ウォンから16.4兆ウォンへ増えています。
つまり、総量は減っているのに、残っている案件の質が悪化している可能性があります。
土地を担保として融資の返済できない! 延滞率が31.9%に達する異常!
特に深刻なのは「土地担保融資の延滞率」です。
中小金融会社の土地担保融資の延滞率が31.88%にも達しています。これは異常に高い水準です。
貸出残高が減っているため延滞率が上がりやすいとは説明されています。それは確かにそのとおりなのですが、延滞債権そのものも3.26兆ウォンから3.32兆ウォンへ増えているのです。
単なる分母効果だけではありません。
もう一つの問題は、整理・再構築の速度が鈍っている点です。
2025年下半期には2.0兆ウォン進んだのに、2026年第1四半期は0.4兆ウォンに落ちています。
当局は「不良事業場は減った」と説明していますが、逆にいえば、残っている案件ほど処理が難しいと見ることができます。
支援に延長は「なくなったら立ち行かないから」では?
また、金融規制緩和措置を6件延長したことも重要です。
これは「支援継続」ですが、裏を返せば、規制緩和をやめるとPF市場がまだ耐えられないということを意味します。
正常化した市場なら、時限措置を延長する必要はないでしょう。
重いシグナルはこの3つ!
――まとめます。
この金融監督院の資料は「PF危機は管理されている」という発表文ですが……実態としては、不良債権の総量を減らしながらも、延滞率と潜在不良が再び上向き始めた局面と見るべきです。
特に、
土地担保融資の延滞率:31.88%
整理・再構築ペースの急減
規制緩和の延長
――の3点は、かなり重い警告サインです。
ですから、韓国の建設業界に底冷えをもたらした(現在ももたらし続けている)不動産PF問題は、決して喉元を過ぎたイシューなどではないのです。
(吉田ハンチング@dcp)






