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移民は解決策にならないという研究

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高齢化が進んで人口構成が大きく変わる先進国では、経済成長を維持し、社会保障の質を維持するために「移民を増やそう」という意見があります。「移民を増やして現役生産人口を増やそう」という意図なわけですが、これは果たして有効な解決策になるのでしょうか?

この「移民が先進国の高齢化問題を解決するのか?」についての研究はたくさんあります。何度もMoney1の記事で引いているジェレミー・シーゲルも実はこの点については言及しているのです。ジェレミーの薦める投資方法は「長期投資」ですので、将来経済成長が見込めなくなるというのでは困るからですね。

ジェレミーが紹介しているのはこういう研究例です。

●高齢化が進行すると「63歳まで」の生産人口が減少する
※63歳はアメリカの一般的な退職年齢です

●生産人口を維持するためには退職年齢を引き上げることが解決策の一つ
しかし、そうせずに63歳の退職年齢を維持したいと想定

この場合、何人の移民があれば可能か?

というのです。移民したての人が、アメリカの標準的な収入を得ることは事実上不可能ですから、当初の収入をアメリカ人一人当たりの所得の半分と仮定してみると、

必要な移民の数は、今後45年間で4億人超

となるというのです。アメリカの人口が3億2,000万人ぐらいですから、いくら「そもそも移民の国」とはいえ、この数字は無茶ですね。

また、移民については、経済的問題だけではなく、社会構造社会的慣習についての視点も必要です。45年間でと、ほぼ半世紀という長い期間ではありますが、現在の人口よりも多い移民を受け入れるというわけですから、社会構造に与える影響はクリティカルなものになることは明らかです。将来に起こるであろう諸問題を甘受するという覚悟がなければ、このような数の移民を受け入れるという決断はできないでしょう。

この移民についての研究はもちろん日本も参考にすべきです。経団連のジーサンが「日本には移民が必要」なんて簡単に言いますが、そのようなジーサンは恐らく深く考えてはいません。「どうせオレはそのときはもう死んでるし」なんて無責任な考えでいるかもしれませんから、「そうだな移民だな」なんてスグに賛同しないのが良いと思われます。

⇒データ出典:『株式投資の未来 永続する会社が本当の利益をもたらす』著ジェレミー・シーゲル/瑞穂のりこ訳(原題:The Future for Investors)P.231より引用

(柏ケミカル@dcp)

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