北朝鮮のICBM問題がいよいよ煮詰まってきました。08月01日、ティラーソン国務長官が「我々は体制転換を求めておらず、体制の崩壊を求めておらず、半島の再統一の加速を求めておらず、38度線の北側に米軍を送る口実を求めていない」と表明しました。
これをもってアメリカがいまだ対話路線である、という向きもありますが果たしてそうでしょうか。ティラーソン国務長官の発言で注目すべきは、対話の条件として「北朝鮮が核保有国とならないこと」という条件を改めて表明したことです。
つまり、北朝鮮が核保有国を目指す以上は「対話はしない」ということです。これは北朝鮮に対して「もう解決策は残っていない」と言っているのに等しいわけです。
アメリカは、100日の猶予期間のうちに中国の圧力によって解決されることを望んでいたかもしれませんが、その期待は全く現実になりませんでした。北朝鮮はICBMの実験をやめず、07月31日、中国は「北朝鮮とアメリカに重要な責任がある」と、自身の責任を放棄するような表明をしています。その後、トランプ師匠は安倍首相と電話会談し「あなたの懸念どおりになった」と発言した、ようです。
さらに注目すべき米軍の動きがあります。
在韓米軍の主力「第8軍」司令部のソウルから平沢(ピョンテク)への移転が完了しました。これはソウルの南方80kmへの移動で、これにより主力部隊は北朝鮮の38度線からの砲撃範囲外へ逃れたと考えられます(ただし砲兵一個旅団はソウルに残留)。ソウルは38度線からあまりにも近く、先制攻撃されるとひとたまりもなかったのですが、この移動によって主力部隊の損害を回避できます。
また、08月中旬に米韓で軍事演習を行うとして、米空母「ロナルド・レーガン」と「カール・ビンソン」の2隻が北朝鮮沖へ向かっています。さらにトマホークミサイル154発を持つ原子力潜水艦ミシガンが釜山でオンステージにあります。
北爆の可能性が高まっています。
(柏ケミカル@dcp)