貿易戦争が派手なため、経済面ばかりが注目されがちですが、アメリカはあらゆる手を使って中国に圧力をかけています。例えば、
・「航行の自由作戦」(Freedom of Navigation)を継続
中国が国際条約に基づかず領有権を主張する南シナ海(など:記事末URLの『合衆国国防省』のレポートを参照)に軍用機、軍艦を派遣し、航行させるオペレーション。
・「台湾への武器売却」を推進
2017年06月29日、合衆国国務省は台湾に14億2,000万ドル相当の武器を輸出することを議会に通知。この武器の中には、4億ドルもする超大型のEWR(Early Warning Radarの略:早期警戒レーダー)が含まれています。
などは軍事面の圧力ですし、
・「台湾への海兵隊の派遣」表明
合衆国国務省は台湾に置かれた「米国在台協会(AIT)」(台湾における実質的な大使館)へ防衛のための海兵隊を派遣する方針を発表(2018年07月01日に報道)。世界各地の合衆国大使館には海兵隊員が常駐しており、その一環としての指針でしたが、2018年09月13日にはマティス国防長官が「見送り」を発表しました。
・「ウイグル人への弾圧を抗議」
新疆ウイグル自治区に住む人の弾圧について抗議を行っています。この新疆ウイグル自治区は人民解放軍が侵攻し、自国領土とした地域です。ここに住むウイグル人に対して、中国政府は、強制収容して思想教育するなどの人権侵害を行っているのです。2018年07月26日、ペンス副大統領は公演で中国の姿勢を非難しました。
・「チベット入国相互法案」の可決
2018年07月28日、合衆国の司法委員会は全会一致で「チベット入国相互法案」を可決。これはアメリカ人がチベットに自由に入国できるようにするというものです。中国人はアメリカに自由に入国できるのに、中国はアメリカ人が自由にチベットに入るのを禁じています。これは、中国政府によるチベットの人々への弾圧を見られたくないための措置だといわれています。
などは政治的に圧力になります。
⇒参考:『U.S.Department of Defense(合衆国国防総省)』「Annual Freedom of Navigation Report Fiscal Year 2017」
https://policy.defense.gov/Portals/11/FY17%20DOD%20FON%20Report.pdf?ver=2018-01-19-163418-053
アメリカはこのように多方面から中国への圧力を強めているのです。
(柏ケミカル@dcp)