中国メディア『新華網』が興味深い記事を出しています。
2024年03月11日、中国で第14期「全国人民代表大会」(全人代)が閉幕しました。
中南海の新華門前にカチコミ事件があったようですが(だだし詳細不明)、12日から中国も平常運転に戻り、さっそく「中国経済は大丈夫だ!」の宣伝を再開しています。記事から一部を以下に引用します。
国際金融機関や専門家は、中国のさらなる経済発展を支援する最近の一連の取り組みに自信を示し、関連政策が好結果をもたらし、外国人投資家が中国への投資を継続する十分な理由があると信じている。
中国の経済成長は、テクノロジー、ケータリング、小売、ビジネスサービスなどのセクターのビジネスに収益機会をもたらす可能性があると、『オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー』紙は最近、合衆国金融投資会社『Muzinich』のポートフォリオ・マネージャー、メル・シュー氏のコメントを引用して報じた。
メル・シュー氏は、中国が今年の国内総生産(GDP)成長率5%前後という予想目標を達成できると考えている、と
いう。「世界的に見ても、5%という成長率は最も速い部類に入る」。
メル・シュー氏は、中国の電気自動車産業の発展について楽観的な見方を示し、「サプライチェーンの標準化、潜在需要の掘り起こし、政府の支援策といった要因がこの分野を後押しするだろう」と述べた。
(後略)⇒参照・引用元:『新華網』「外资机构持续看好中国市场」
調べてみると、Mel Siew(メル・シュー)という人物は実在します(上掲)。確かにポートフォリオ・マネージャーです。
しかし、シューさんが主に述べているのは、「中国が今年の国内総生産(GDP)成長率5%前後という予想目標を達成できる」ということであって、これを中国経済を楽観視しているかどうかは分かりません。
なぜなら、中国共産党は(本当は)達成できていなくても「達成できた」と発表するような輩だからです。もはや李克強さんもいらっしゃいませんし、習近平さんの個人崇拝を進めるような国の公表する数字などどれも信用できません。
習近平さんの面子を潰さないように、また自身の身の安全(と立身出世)を考えてウソの数字を平気で出します。それがここまで続いてきたからこそ、もう二進も三進もいかなくなっているのです。
ちなみに「中国経済に楽観的だ」という報道は「また」です。2023年11月07日に、『中国人民銀行』(中央銀行)の張青松副総裁が発表したのですが、これは中国の皆さんの怒りを買いました。
「オレは仕事がないぞ」「中国人民の誰が楽観視しているというのか」などの声が上がり、まさに火だるま状態だったのです。当然でしょう。
ここにきて、またぞろ『新華社』がこのような報道を出しているわけですが、誰が信じて中国に投資するというのでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)