先にご紹介した、「2023年の賞与がゼロ」(中国のボーナスは春節前に一括支給されます)という件に絡んだ話です。
中国の就活サイト『51job.com』が毎年公表しているデータによると、年末ボーナスを受け取った人の68%が、2023年の年末ボーナスが年収の10~30%を占めると回答しています。
つまり、年末ボーナスがゼロになると、年収1~3割が吹き飛ぶことになるのです。
先の記事でご紹介した、「賞与の代わりにお手紙をもらった」という行員の皆さんは絶望的な気分になったことでしょう。
同じく中国の求人サイト『Zhaopin』(春節前、ボーナス支給前の2023年時点)集計データによれば、
「確実に賞与が支給される」としたホワイトカラーの労働者の割合は「20.2%」に過ぎず、これは2022年末時点の「26.9%」から減少しました。
また、賞与の平均金額は「6,950元」であり、2022年末時点から1,478元の減少。なんと17.5%も減ったのです。
これは中国が非常な不景気を陥っていることを示しています。
賞与だけではありません。
さらに給与が削減されるという方向なのです。同じ『Zhaopin』の調査データですが、ホワイトカラーの労働者の32.3%が「給与削減」措置が行われると回答しています(2023年末時点時点での回答)。
2021年末時点:26.8%
2022年末時点:31.8%
でしたので、2024年の労働環境は、より悪くなるのです。
その上、回答者のうち11.6%は「20%以上の給与削減となるだろう」としています。
読者の皆さまもご存じのとおり、中国では給与の未払いが横行し、各地で抗議集会が開かれるようになっています。その上、給与が削減される方向なのです。
それでも中国共産党当局は「中国経済には楽観論が広がっている」と強弁しています。どこに楽観論があるのでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)