投資関連のニュースでは、ときに「何それ?」と思うような言葉が登場することがあります。Money1でもかつて紹介したことがある「ブラック・スワン」「ゴルディロックス」「ヒンデンブルグ・オーメン」などはその代表格といえるかもしれません。そのような言葉に類しますが、皆さんは「灰色のサイ」あるいは「グレイ・リノ」という言葉をご存じでしょうか?
「灰色のサイ」は「grey rhino」を日本語訳した言葉です。「rhino」は、角のある動物、あの「サイ」のこと。どちらかというと「ライノ」という発音に近いのですが、なぜか日本語の片仮名表記では「リノ」が使われることが一般的です。
この「灰色のサイ」は、アメリカ合衆国の政策アナリスト(専門は世界的な経済危機の予測/作家・コメンテーターでもある)、ミシェル・ワッカー(Michele Wucker)さんが自著『グレイ・リノ』で用い一般的になった表現といわれています。灰色のサイ、グレイ・リノとは、
よくあることではあるが、大きな問題を引き起こすにも関わらず普段は見過ごされがちなこと
を指します。かつて紹介した「ブラック・スワン」は、
滅多に起こらないことではあるが、一度それが起こると破滅的な影響をもたらすもの
という意味でしたね。「灰色のサイ」は、「ブラック・スワン」と同様、リスクについて語るときによく用いられる言葉です。市場を見る者は常にあらゆるリスクに気を配るべき、ということでしょう。
(柏ケミカル@dcp)