2022年01月24日、中国『恒大集団』から「泣き」の声明が出ています。以下です。
中国恒大集团(下称“恒大”)及其子公司愿就近期涉境外债权人相关事宜作以下声明:
中国『恒大集団』(以下「恒大」)およびその子会社は、最近の海外債権者問題に関連して、以下のとおりお知らせします。
集团正会同相关顾问机构,以积极的态度与境外债权人持续进行沟通与对话。当前,集团已向境外债权人明确表态,董事会、风险化解委员会及集团上下正不遗余力地评估经营情况、稳定生产运营、保障资金周转,集各方之力共同制定一个全面、细致、有效的债务重组计划,以保障各方合法权利。相关工作推进情况已于2021年12月至2022年1月期间,由集团通过公告形式陆续予以披露。
当グループは、関連する諮問機関と協力し、海外の債権者とのコミュニケーションと対話を前向きに続けています。
現在、当社グループは、取締役会、リスク解決委員会およびグループ全体が、経営状況の評価、生産およびオペレーションの安定化、資本回転率の確保に努力を惜しまず、全ての関係者の法的権利を守るために、包括的、詳細かつ効果的な債務再編計画を共同で策定していることを海外の債権者に明言しています。
当該作業の進捗状況は、2021年12月から2022年01月にかけて、当社グループから発表を通じて開示されています。
期间,集团与相关各方进行了深入探讨,在推动探索风险化解工作实施路径方面取得了一定进展。本集团也意识到,由于集团规模庞大、业务繁多、利益相关方众多,面临的情况将日趋复杂,这需要与各方进一步研讨和推演各种可能性与实施路径,全面评估和衡量各种潜在方案,为开展下一步更深入的沟通夯实基础。
当四半期、当社グループは関係者と綿密な協議を行い、リスク解決業務の実施に向けた道筋の検討を進め、一定の成果を上げることができました。
また、当社グループの規模が大きいこと、事業が多様であること、ステークホルダーが多いことなどから、直面する状況はますます複雑になると認識しており、全ての関係者と共に、さまざまな可能性と実行の道筋についてさらに議論とリハーサルを重ね、総合的に評価・計量して、さらに深くコミュニケーションを図るための確固たる基礎を築くことが必要であると考えています。
集团董事会及风险化解委员会以一贯负责任的态度,恳请各境外债权人给予我方更多时间,支持我方充分考虑各类不确定性和风险,为形成一个对各方利益都有保障的债务风险化解方案而共同努力。
取締役会およびリスク解決委員会は、責任ある態度で、海外の債権者に対し、さまざまな不確実性やリスクを十分に考慮し、全ての関係者の利益を守る債務リスク解決策を一緒に考え、時間をかけてサポートしてくれるよう、謹んで要請します。
⇒参照・引用元:『恒大集団』公式サイト「恒大集团就境外债相关事宜的声明」
外国の債権者に対して、債務を返済できるよう努力をしているとくどくど書いていますが、そんなことは当たり前のことです。
注目ポイントは一番最後の部分です。「全ての関係者の利益を守る債務リスク解決策を一緒に考え、時間をかけてサポートしてくれるよう」と書いています。
これは、先にご紹介したドイツの調査会社『DMSA』が言うように、裁判所に破産申請を行い、「破産管財人が『恒大集団』の整理を開始し、投資家や債権者のために資産の清算を行う」ようなことをしてくれるな――という泣きです。
この声明は「お手盛りで資産の整理をやらせてくれ」と言っているのと同じです。
「ふざけるな」という話です。
『恒大集団』はオフショア債で債務不履行を起こしているくせに、中国当局はうやむやにして解体作業を行おうとしています。
このままでは当局の好き勝手に同社の資産が処分され、海外の債権者には何も返ってこないという事態になるかかもしれません。なぜ誰も騒がないのか全く不思議というほかありません。
「破産申請の準備ができた」と声明を出した『DMSA』はいったい何をしているのでしょうか。あれだけ大見得を切っておいてやめたのでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)