2022年06月21日、韓国の『中小企業中央会』が興味深いリポートを出しました。
輸出入中小企業508社を対象として実施した「2022年下半期中小企業輸出展望および輸出入中小企業物流状況の実態調査』の結果です。
このアンケート結果を見る限り、こと中小企業については全く楽観視できません。
まず下半期の輸出見通しについてです。
●中小企業輸出見通し
良い……21.1%(-19.3%)
悪い……25.6%(+20.4%)
前回、上半期について聞いたときよりも、「良い」と答えた企業は「19.3%減少」し、「悪い」と答えた企業は「20.4%」増加しました。
次に輸出リスクについてです。
●輸出リスク
原材料価格の上昇……72.2%
船腹・コンテナ不足など物流上の問題……44.3%
中国都市封鎖……20.3%
為替変動……18.3%
部品需給の支障……16.7%
韓国の中小企業の皆さんは、リスクとして「原材料価格の上昇」をぶっちぎりの「72.2%」で挙げています。
残念ながら「原材料価格」が急に下がることは難しい模様で、皆さんの苦労は続きそうです。
リスクで第3位となっている「中国都市封鎖」について、以下のような興味深いアンケート結果が出ています。
●中国都市の封鎖で被害があったか?
被害を受けた……53.7%●被害の内容は?
納期の遅延……44.3%
中国内販売および輸出の減少……40.9%
原材料需給の困難……34.0%
現地工場の稼働中断……21.7%
中国のロックダウンで韓国の中小企業の半数以上がなんらかの被害を受けています。また、これによって輸出や中国市場での販売が低迷もしています。お得意様の中国でこのようなことが起こると韓国の中小企業は大きなダメージを受けるのです。
現在も船賃が高い、コンテナがない――などの物流における混乱は続いていますが、この調査結果の中に物流コストに関する注目すべきタータがあります。
輸出入額に対して「物流運賃が占める割合」です。以下をご覧ください。
物流運賃が占める割合
輸出:平均9.3%
輸入:平均9.7%
輸出入額に占める物流運賃の割合は、輸入ではほぼ1割に達しています。
しかし、これでも下がった方で、2021年11月は、
物流運賃が占める割合
輸出:平均9.97%
輸入:平均11.18%
もあったのです。
韓国の中小の輸出入企業は、原材料価格の高騰、輸出の鈍化、物流運賃の上昇とまさに四面楚歌の状況に陥っています。下半期もかなり苦しい状況が続くのではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)