2022年12月22日、『韓国銀行』が「金融安定報告書」を公開しました。前回の金融報告書ではオミットされていたデータが復活したのでご紹介します。
金融安定性では危険域だ
「金融安定指数(FSI)」と「金融脆弱指数(FVI)」です。
この2つの指数は『韓国銀行』が独自に算出しているもので、文字どおり韓国の金融システムの安定性および脆弱性を示します。なぜか前回の公表データの中には「FSI」「FVI」が入っていませんでした。理由は分かりません。
まずは「FSI」(金融安定指数)です。以下をご覧ください。
データ出典:『韓国銀行』「金融安定報告書(2022年12月)」
「FSI」(金融安定指数)は、数字が「8」から「警戒域(Warning Satge)」に入り、「22」を超えると「危険域(Crisis Stage)」です。
韓国通貨危機時の2008年12月には「57.4」を記録し、コロナ禍の中ドル不足に陥ってドボン寸前だった2020年04月には「24.3」でした。
2022年11月時点で「FSI」(金融安定指数)は「23.0」で危険域にあります。
2022年01~11月の「FSI」(金融安定指数)の推移を見ると以下のようになります。
「FSI」(金融安定指数)が信用するのであれば、韓国の金融システムは安定性において危ない状況ということになります。
金融脆弱性では警戒水準
次に「FVI」(金融脆弱指数)です。以下をご覧ください。
データ出典:『韓国銀行』「金融安定報告書(2022年12月)」
「FVI」(金融脆弱指数)は0~100までの値を取り、数字が大ききなるほど、金融システムの脆弱性が増していることを示しています。
韓国通過危機時の2008年11月には「73.2」を記録。アジア通貨危機時の1997年11月には「100」でした。
2022年第3四半期は「44.9」ですが、決して脆弱性が解消されたわけではありません。ドル不足でドボン寸前だった2020年第1四半期と同水準ですので。
少なくとも「FSI」(金融安定指数)・「FVI」(金融脆弱指数)を見る限りは、韓国の金融システムは安定性では危険域、脆弱性では警戒しないといけないレベルにあることが分かります。
(柏ケミカル@dcp)