アメリカ合衆国と中国の対立が深化し、いよいよ新冷戦も本域になってきました。さあ韓国はどっちにつくのか、という話ですが、「合衆国の戦略が成功するかどうか」は韓国にかかっている――という自信満々な記事が韓国メディアに出ています。
『グローバルエコノミック』というメディアなのですが、「米国の再グローバリズムの成功は韓国にかかっている」というタイトルの記事から一部を以下に引用してみます。
対中技術封鎖のための再グローバリゼーションに遅れた対応をし、
米・日・台湾の半導体連合からは疎外され、
戦術核運用協議権要請も見送られ、
対中軍事協力から除外されるなど、韓国は経済と安全保障上の課題に直面している。
日本や台湾より多くの主要先端技術を保有し、これらの国より民主主義をより発展させてきた韓国の積極的な参加が、再グローバリゼーションの成功を導くことができる。
尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は、主要先端産業別の再グローバル化ロードマップを作成し、04月に行われるワシントン米韓首脳会談で、再グローバル化の成功のための核心的な同盟国は韓国であることを認識させる必要がある。
(後略)
冒頭からこれです。
合衆国が現在行っているのは「再グローバリズム」戦略と位置づけており、その成功には韓国が欠かせないと書いています。
それだけではなく、韓国は「日本や台湾より多くの主要先端技術を保有し、これらの国より民主主義をより発展させてきた」国なのだそうです。
そうでしょうか。
また、04月に行われる予定の米韓首脳会談では、バイデン大統領に「再グローバル化の成功のための核心的な同盟国は韓国である」と認識させなくてはならない、そうです。
韓国という国はなぜか「自分の姿を大きくとらえがち」ですが、ここまでくると大したものです。
ではなぜ、そのようなスゴい国が、自分で書いているように、
戦術核運用協議権要請も見送られ、
対中軍事協力から除外される
状態になっているのかを考えるべきでしょう。合衆国が韓国を自分で言うほどスゴい国だと認識しているなら、このような状態に置かれることはなかったのではないでしょうか。
Money1でも何度もご紹介していますが、韓国は相対的な思考ができない国です。相手が自分をどう見ているのかを理解しません。「かくあるべき自分」として見るように相手国に要求するばかりです。
もう少し自分を客観視して、相手国からどう見られているのかを理解するべきでしょう。
まるで『イソップ童話』に出てくるカエルのようです。これほど大きいんだぞと自らを膨らまして見栄を張るばかりではハジけてしまいます。
この記事は結びの文章が奮っています。
再グローバル化は、冷戦時のジョージ・ケナンの封鎖(containment)と同じくらい世界秩序を変える大戦略である。脱同調化とかグローバル供給網再編とかいう正体不明の用語では、再グローバリゼーションによる世界秩序の大転換を理解できない。
気を引き締めなければならない。
スジを間違えると国が滅びる。
「国が滅びるかもしれない」と理解しているようですが、実はこれは正しくありません。
たとえ自由主義陣営国から蹴り出されても、国が滅びるわけではありません。中国の衛星国になっても国は存続することができます。
それが韓国の皆さんにとっていいことかどうかは自分で考えるべきでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)