2023年05月31日午前06時29分ごろ、北朝鮮は「千里馬」と名付けたロケットに「萬里鏡(万里鏡)-1型」という名前の偵察衛星を搭載して発射しました。
ところがロケットは二段ロケットの不具合があって黄海に墜落。
読者の皆さまもすでにご存じのとおり、発射から2時間後には北朝鮮は打ち上げ失敗を認めました。異例の早さでしたが、同時に2回目の発射を行う旨の声明も出しています。韓国は、早ければ06月11日までに行う可能性があると見ています。
今回の打ち上げ失敗について、韓国メディア『中央日報』が面白い記事を出しているのです。
以下をご覧ください。
上掲は『中央日報』の紙面です。今回の北朝鮮ロケットの飛行経路が図示されているのですが、以下のようなキャプションが入っています。
「北朝鮮が31日に発射した『千里馬1型』のおおよその飛行軌跡。千里馬の1,000里は約392kmであるが、これは北朝鮮の千里馬が飛行した東倉里から於青島までのおおよその直線距離(約350km)とほぼ一致する」
千里は約392kmで、今回の墜落までに飛行した直線距離約350kmとほぼほぼ一致している――と書いています。
「名前どおりの距離しか飛びませんでした」と茶化しているのです。
また記事内には以下のような煽りも入っています。
(前略)
今回も北朝鮮が新しい衛星の名前を「万里鏡」と定め、自分たちの衛星がすでに発射に成功した韓国の「ヌリ号」よりも優れているという意味を込めようとした可能性もある。(中略)
オ・ギョンソプ統一研究院研究委員は「金正恩は今回の衛星打ち上げを控えて、娘も帯同して何度も現地視察を繰り返し、ロケットと衛星の名前にも意味を付与するなど、事実上『政治的にオールイン』をしてきた」とし「結果的に政治的勝負数を含む衛星発射の失敗という事実自体はもちろん、ヌリ号発射成功の事実とも比較され、金正恩の政治力とリーダーシップに大きな毀損が発生するようになった状況と評価される」と話した。
上掲のとおり、「韓国はヌリ号の発射に成功したのだが……」という書きようになっています。
恐らく、金正恩さんはカンカンになっていることでしょう。「パパ、失敗しちゃったね」などと娘さんから言われているかもしれません。2回目も失敗したら担当者の首が飛ぶぐらいでは済まないかも……です。
(吉田ハンチング@dcp)