中国・習近平が「お金くれ」と言う理由。外国からの直接投資が93%消滅した

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Money1でもご紹介しましたが、2023年10月17・18日、(よせばいいのに)中国の威容を誇るために「一帯一路国際協力ハイレベルフォーラム」が開催されました。中国・習近平総書記の肝いりの企画ですので、一帯一路は絶対に成功しなければなりません。

この際に習近平総書記が述べたことがあらためて注目されています。Money1でもご紹介しましたが、習近平演説の以下の部分です。

製造業における外資規制を全面的に撤廃する

中国は、国際的な高水準の経済貿易ルールとの比較においてイニシアティブを取り、国境を越えた貿易とサービス投資の開放を高いレベルで推進し、デジタル製品の市場アクセスを拡大し、国有企業、デジタル経済、知的財産権、政府調達の分野における改革を深化させる。

中国の製造業における外国資本の投資規制を全面的に撤廃するとしました。

理由は簡単で、国内経済がガタガタになり、「無法者・中国など信用できない」として外国資本が中国に投資しなくなったからです。

投資を再び入れてもらうためです。

外国資本が中国への投資を忌避している様子は、中国の国際収支統計にそのまま現れています。以下をご覧ください。


↑金融収支の直接投資の負債の部。黄色の蛍光ペンで強調してあるのが2023年第2四半期のデータ。わずか「67億ドル」しかありません。

データ出典:『中国 国家外為管理局』

上掲は、中国の国家外為管理局が公表した国際収支統計(四半期ごと)から切り出したものです。金融収支の「直接投資」の負債の部ですが、わずか67億ドルしかないのです。

直接投資(負債の部)は、外国から投資案件で突っ込まれた金額を示しています(正確にいえば資産の増加を示す)。

中国から見れば負債ですが、外国から見れば「(直接投資による)中国資産の増加」がここに現れるのです。

「67億ドル」などという数字は統計始まって以来初といってもいい低レベル。これは外国が中国に対する投資をいかに絞っているかを示しています。

以下の「直接投資 負債の部」の金額の推移をご覧ください。

2023年第2四半期の「67.5億ドル」は、1998年第1四半期からここまでで最低の金額です。つまり、中国へお金を突っ込むのをやめたのです(中国資産を増やすのをやめた)。

上掲のグラフのとおり、2022年第1四半期は「1,012.7億ドル」ありました。それが「67.5億ドル」ですから、93.3%も消滅したのです。

習近平が「外資規制をやめる」と述べた背景には、このような外国の「中国離れ」があるのは明らかです。

要するに、習近平は「お金をくれ」と言っているのです。

もっとも――法律の上に中国共産党があり、国際法を守らず、反スパイ法によって恣意的に外国の企業人を拘禁するような国のTopが何を述べようと――そんなことを信じる者はいないでしょうが。

(吉田ハンチング@dcp)

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