小ネタかもしれませんがご紹介します。見過ごせない協定がアメリカ合衆国とフィリピンの間で結ばれました。
2023年11月17日、脱炭素化とエネルギー自給率向上のため、原子力の利用を模索しているフィリピンに対し、「アメリカ合衆国が原子力技術や資材を輸出できるようにする協定」が合衆国・フィリピンの間で調印されました。
合衆国・アンソニー・ブリンケン国務長官は「フィリピンが「小型モジュール式原子炉」やその他の「民生用の原子力インフラ」を開発する際に、合衆国が機器や材料を共有することができるようになる」と述べています。
APEC会議の傍ら、二国間でこの協定が結ばれたという点にも意味があります。
フィリピンのフェルディナンド・マルコスJr.大統領は「2032年までに原子力エネルギーがフィリピンのエネルギーミックスの一部になると見ており、合衆国と共にこの道を追求できることを、なによりもうれしく思う」と述べています。
読者の皆さまもご存じのとおり、南シナ海のほとんど全ては自国領海・領土と主張する無法者・中国とフィリピンの間は一触即発の状況となっています。
↑フィリピンの艦船と中国の艦船が接触する様子を報じる動画/YouTube『日テレNEWS』公式チャンネル
中国は、合衆国に首を突っ込ませないようにし、フィリピンとの二国間だけの話し合いで圧迫、フィリピンを屈服させようと目論んでいます。これに対抗するべく、合衆国はフィリピンの関与を強めているのです。
中国は案の定、ASEAN各国に対して「合衆国の口車に乗るな」というキャンペーンを始めているのです。「合衆国の口車」も何も、最新の「中国の標準地図」とやらを見て、頭に来ない南シナ海周辺国はないはず。
フィリピンにしても、合衆国の口車に乗って怒っているのでなく、「中国が不法にフィリピンの航行の自由を侵している」というのが、怒りの理由です。
日本の岸田文雄首相は急遽マニラに飛んで、レーダー装備などの提供を決めましたが、同じ線上にある話です。
(吉田ハンチング@dcp)