中国の精華大学グループ『紫光集団』、『華晨中国汽車控股有限公司』など国有企業のデフォルト・破産が相次いでおり、中国企業を見る目が厳しくなっています。アメリカ合衆国のトランプ大統領に言わせれば「それみたことか」でしょうが、さすがに中国共産党の金融当局も「これはいかん」と感じたらしく、『中国人民銀行』が監督強化に乗り出すという事態になりました。
ところが、その監督強化というのが「信用格付け会社」に対するものなのです。
⇒参照・引用元:『中国人民銀行』公式サイト「信用格付け業界の監督を強化し、信用格付け業界の質の高い健全な発展を促進する」
上掲は『中国人民銀行』が2020年12月13日に出したプレスリリースですが、
2020年12月11日、『中国人民銀行』は、信用格付け業界の発展をさらに規制するために、信用格付け業界の発展に関するシンポジウムを開催し、党委員会の委員であり、中国人民銀行の副社長である潘功胜(パン・ゴンシェン)が議長を務めた。(後略)
と書いてあります。国有企業が次々飛ぶので慌てて格付け会社の監督強化のシンポジウムを催したというわけです。付け焼き刃というか出たこと勝負といいますか……「いやだからぁ」と言いたくなるような対応です。
恐らく『中国人民銀行』も分かっていてやっているのだと思われますが、問題の本質は信用格付け会社にあるのではありません。確かに、今にも飛びそうな企業に平気で「AAA」などの格付けを付与する無神経さもいかがなものかですが、財務状況を正直に報告しない中国企業の体質にこそメスを入れるべきでしょう。
それがために、現在合衆国の株式市場から閉め出されようとしていますし、いくら信用格付け会社を監督したところで、監査の透明性が全く担保されない中国企業を見る目が変わることはないでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)