韓国の建設業界は不況かつ低迷しています。
PF(プロジェクト・ファイナンス)問題で資金が回らなくなっているのと、需要が低迷して新規の建設案件が減少しているためです。高金利のため資金が調達しにくくなっているのも原因の一つです。
不況かつ低迷の証拠に、建設会社の廃業が激増しています。
2022年:261件
2023年:418件
※2022年 ⇒ 2023年:1.6倍
「専門建設会社」の廃業申告数
2022年:1,640件
2023年:1,929件
※2022年 ⇒ 2023年:1.2倍
データ出典:『建設産業知識情報システム』
『建設産業知識情報システム』によると、上掲のとおり、総合建設会社で廃業件数が1.6倍、専門建設会社で1.2倍になりました。
事実上の破綻と考えられ、ワークアウトに入った『泰栄建設』では下請け会社などへの未払い金が「330億ウォン」もあったことが分かっています。
この『泰栄建設』は、業界でも上から数えた方が早い建設会社で、施工規模は韓国第16位とされています。しかし、不況によって債権団と協議する羽目に陥ったのです。
――ことほどさように、韓国は不況であり、建設業界はピンチなのです。これを証明するデータが出ました。
韓国の建設業界の新規受注金額が激減したことが分かりました。同じ「01月」で比較したのが以下です。
2023年01月は新規受注「18兆4,721億ウォン」もあったのですが、2024年01月はなんと「8兆5,639億ウォン」しかありません。
約53.6%も減少しました。急ブレーキがかかったのです。
韓国の建設業界は深刻の不況に陥っています。
『朝鮮日報』によれば、『現代経済研究院』のチュ・ウォン経済研究室長は、
「建設業は賃金も高い方であり、建設業の雇用が増えれば国民の購買力が高まり、庶民経済にお金が回る効果が大きい。内需経済回復を期待するなら、建設業界の景気がさらに悪化するのを止めなければならない」
と述べています。業界が期待しているのは「金利が下がること」です。資金調達が容易になってほしいからです。
しかし、これまでご紹介したとおり、『韓国銀行』の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は「すぐに金利が下がるなどという期待を持たないことだ」と釘を刺してきました。
韓国の建設業界が無事にソフトランディングできるのか?は要注目ポイントです。
(吉田ハンチング@dcp)