中国は経済が傾き過ぎて、本当に「おかしな社会」になってきました。
経済が傾いたのは、経済成長を牽引してきたエンジン「不動産市場」が崩壊している――のが一因です。
中国当局がお金をいくらまいても不動産市場は回復の兆しを見せません。中国不動産市場の先行きが全く見通せないので、国民は買いたくないのです。住宅ローンを使って購入したとしても、完成して引き渡してもらえるかどうかも分からないのですから、誰も資金を投入しなくても当然です。
しかし、「売れないと困る」というので、(よせばいいのに)あの手この手で不動産が売れるように画策しています。
「2024年06月10日、Weiboに面白い投稿があった」と中国語メディアが報じ、話題になっています。タイトルは「从恶意不买房者到故意不生3胎者(悪意を持って家を買わない人から、意図的に3人の赤ちゃんを産まない人まで)」という投稿です。
行政機関が何をやっているのか、一種の暴露投稿なのですが、以下のような具合です。
「青島市のある街頭事務所が、住民が家を買う政策を推進するためのタスク通知を出したとし、もし住民が銀行口座に巨額の預金を持っているにもかかわらず家を買わないことが判明した場合、「それは単なる認識不足であり、本人が督促に行って民衆に話し、徳によって民衆を納得させなければならない」と述べた。
街路事務所のスタッフは、新しい商業用不動産のネット署名を査定に含めるよう通達があったことを認め、また、もしその作業が完了できなければ、地区は減点され、地区書記は金銭を差し引かれなければならないかもしれない――とも言った。
※「街道」というのは、郷級行政区である都市基層政府の出先機関のことです。
驚くべきことに、地方政府を構成する街道事務所に「住宅を住民に買わせろ」という指示があったというのです。これを達成できない場合は、その地区事務所は減点され、該当地区の書記の給与が差し引かれるかもしれない――というから無茶苦茶です。
お金があるのに住宅を購入していないことが判明すると、事務所から人を送って「督促する」そうです。
こうなると、公務員なのか住宅の販売担当者なのかもよく分かりません。
この暴露が本当だとしても、問題は「こんなこと」を行っているのが果たして青島市だけなのか?という点です。中国はお金が回らな過ぎて、とうとう公務員に住宅販売を行わせるような状態に陥った――と見られるのです。
すごいディストピアです。
習近平さんも「どうしたらいいのか」分からなくなっているのではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)