中国の地方政府の財政はボロボロになっています。不動産市場が墜落して歳入が減少し※、歳出を減らすことができないため火の車なのです。
※地方政府の歳入の多くが土地の貸出契約に依っているため。
読者の皆さまもご存じのとおり、中国では公務員の削減、給与カットが行われています。これは、まさに歳出を削減するための方策です。先にご紹介しましたが、中央政府は倹約に努めるべし――というお触れも出しています。
「政府の倹約」が経済に対して逆効果をもたらすのは上掲記事でご紹介したとおりです。
歳出カットという点において、山東省が以下のような文書を公表しています。
国山東省人力資源社会保障庁、省委員会機構編制委員会事務室など10部門が合同で発表した通知です(2024年07月15日)。
「同省所属の事業単位の職員が国有企業または民間企業の契約制社員に転換される」
という内容です。
事業部単位で企業化して、現在山東省政府機関に所属している人員を企業所属の社員に転換するというのです。
山東省の地方政府は、大量の人員を切り離して「企業ごと(元事業部ごと)に給与が支払われるようにしてください」「自分たちで生計が立つようにしてね」という無茶苦茶な措置に踏み切ったのです。
大リストラです。
中国語メディアによれば、この措置は10万人に影響を及ぼし、その影響は甚大――と書いています。
この文書によれば、転換部隊への参加を選択しない事業所内の職員に対する経済補償基準をカテゴリー別に規定しています。
公的機関が国有企業に転換される際、転換部隊の設立に参加しないことを選択する人は、人事管理当局に基づいて退職願を提出し、承認されなければなりません。
辞任が承認された人には再建部門から金銭的補償が与えられます。
公的機関が
●国有企業への転換
●民間企業への転換
となりますが、国有企業への転換対象者になった場合、それを望まなければ退職するしかないのです。
「お金がないのは首もないのと同じ」(西原理恵子先生の名言)といいますが、金ないから公務員を削減しようという動きもここまできたわけです。こんなことは、中国共産党が支配する中国でしかできないでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)