2021年12月07日、中国の国家外貨管理局から11月時点での外貨準備が公表されました。以下です。
外汇储备……3兆2,223.86億ドル
(Foreign currency reserves)
対前月比:47.72億ドル増加基金组织储备头寸……106.98億ドル
(IMF reserve position)
対前月比:1.72億ドル増加特别提款权……530.56億ドル
(SDRs)
対前月比:5.40億ドル減少黄金……1,130.34億ドル
(Gold)
対前月比:22.08億ドル増加其他储备资产……-2.47億ドル
(Other reserve assets)
対前月比:0.86億ドル増加計:3兆3,989.27ドル
対前月比:66.98億ドル増加データ出典:『中国 国家外貨管理局』公式サイト
総額で66.98億ドル増えていますが、IMFリザーブポジションなどの変動は
現在のところ特に注目に値しません。
IMFリザーブポジション、SDRs、金を除いた「外汇储备」」のみのここまでの推移を見ると以下のようになります。
前月「3兆2,176.14億ドル」で当月「3兆2,223.86億ドル」ですので「47.72億ドル」増加しています。
中国の保有するドルは減少していると推測されますが、とにかく中国の外貨準備は中身が分かりません。
ざっくり1兆ドル、すなわち1/3はアメリカ合衆国公債です。しかし、残り2兆ドルは正体不明なのです。
そのため、中国の外貨準備には「いざというとき使える真水はどのくらいあるのか」という疑問があります。
reserve assetsに計上されている中身はなんだ?です。
『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)の定義によれば、その国の通貨当局が管理しており、緊急時に使えるもの――でないといけないのですが、現金たるDeposits(預金)、すぐに換金できる流動性資産で構成されているのかが分かりません。
先にご紹介したことがありますが、識者からは「中国の外貨準備は意外と脆弱なのではないか」と指摘されるのです。つまり張り子の虎なのではないか、というわけです。
(吉田ハンチング@dcp)