中国共産党政府は、経済指標が悪化して自身のメンツが保てなくなると、途端にデータの隠蔽に走ります。定例のデータ公表を行わなくなったり、ネット上の該当ページを見られなくしたり、検索に引っかからなくするなどは日常茶飯事。
例えば、先にご紹介した「北京政府公表のセクター飲食業」2024年上半期売上・営業利益データはすでにサイト上で見つけられなくなっています。かろうじて検索で画像ファイルを引っ掛けることができるので、見ることができます。
これも情報隠蔽の一つの例です。
ちなみにこういうときにAI検索はたいてい役に立たず、リンク切れのURLを表示するだけです。見つけたら画像でも何でも保存しておかないと、情報のウラが取れなくなってしまいます。
中国の経済動向について興味を持たない人はご存じないかもしれませんが、中国証券取引所は、2024年08月18日をもって「外国から中国証券市場に流入する金額の日次データ」の公表を停止しました。
外国から幾ら資金が流入しているのかのトレンドが見られなくなったのです。
これは定例データの公表をやめて隠蔽した例です。現在、外資の中国からの資金引き上げが顕著になっています。
中国の国家外国為替管理局のデータによると、2023年の直接投資(FDI)は330億ドル。これは1993年以来30年ぶりの最低値です。
2022年が「1,802億ドル」ですから81.6%も減少しました。
Money1でもご紹介したとおり、2024年第2四半期のFDIは「-148億ドル」でした。直接投資がマイナスということは「入金より出金の方が多い」ことを意味しています。
四半期ごとのFDIがマイナスを記録したのは2023年第3四半期以来で史上2回目。国家外国為替管理局が1998年から関連データを集計し始めて以来最大の金額です。
『Bloomberg』は、このままでは2024年は外国からの直接投資がマイナスに転落するかもしれないと指摘するほどです。
何が起こっているかというと「China Run(チャイナラン)」で中国からの資金逃避です。
このような、非常に体裁の悪い状況だから中国政府(地方政府含む)は情報の隠蔽に走るのです。ただ、情報を隠蔽したからといって状況は全く変わりません。
また、情報を隠蔽すればするほど中国に対する不信感は募り、外国人投資家がお金を入れなくなるだけです。
中国はもう二進も三進もいかなくなっているのです。
(吉田ハンチング@dcp)