チェコへの原発輸出は、韓国尹錫悦(ユン・ソギョル)政権にとって死命線といってもよい案件になってきました。
そもそも韓国では「政治的でないものなど何もない」のですが、尹錫悦(ユン・ソギョル)政権が「政権の成果」としている、チェコ原発輸出は絶対に成功しなければなりません。
「取ったどー!」だったポーランドへの原発輸出は『ウェスティングハウス』にかっさらわれて※(下掲の先記事を参照してください)、「後頭部を殴られた」になりましたし、なんとかMOUまでこぎつけたチェコ原発輸出をゲットしなければならないのです。
※ポーランド原発の第一期工事400億ドルは『ウエスティングハウス』に持っていかれましたが第二期工事の受注を狙って活動しています。
チェコへの原発輸出が成功すれば、UAEのバラカ原発に続く、韓国にとって2度目という大きな成果になるのです。
バラカ原発はすったもんだの挙げ句で――ようやく完成にごきつけました。しかし、ずいぶん前に上掲記事でご紹介しましたが、激安のダンピング価格で受注し、後になって秘密軍事協定が結ばれていることが発覚したのです。
そのため、韓国陸軍の部隊はいまだにUAEに常駐しています。
また、UAEが戦争に突入したら、韓国UAE側で自動参戦することになります。原発受注のために無理を重ねたわけです。トータルコストでいえば、全く勘定が合っていないはずですが、それでも韓国にとっては誇るべき「韓国の成果」なのです。
チェコ原発も政争の具になっている!
――で、今回のチェコ原発輸出ですが、受注して建設までこぎつければ、韓国にとっては大きな成果となります。しかしながら、これは「尹政権の成果である」のが、最大野党『共に民主党』など、左派・進歩系の議員・勢力からすれば気に入りません。
「チェコへの原発輸出はダンピング輸出であり、大損害が出るの」と非難しているのです。
韓国は、いつまでたっても李氏朝鮮時代の政争にならうようなことを行っています。これこそが韓国の病根というべきですが治りません。朝鮮半島に近代を移植した日本統治35年余りでは、韓国の病気は治らなかったのです。
韓国の原発建設コストは異常い安い
2024年09月19日(現地時間)、(ひっくり返されないよう念押しのために)チェコを訪問している第20代大統領室のパク・チュンソプ経済首席秘書官が、野党からの批判に対して反論しました。
パク首席秘書官は、「野党の主張は、原発生態系の再構築で雇用を創出し、経済を活性化しようとする努力を誹謗中傷する詭弁だ」と述べました。
本当にそうか?――です。
以前にご紹介したことがありますが、韓国の原発建設単価はとにかく激安なのです。
原発建設コスト(1KW当たりコスト)
フランス:7,931ドル
アメリカ合衆国:5,833ドル
中国:4,174ドル
韓国:3,571ドル
※データ:韓国産業通商資源部
ぼっくり商売が基本のフランスの半額未満(フランスの45.0%)で、実は中国よりも安く原発を建設する(としている)のです。
実際、2000年以降に建造された原発の中で、韓国の原発が最もコストが安く済んでいるとなっています。韓国では1.4GWクラスの原発なら「5兆3,000億ウォン」で建造しているが、アメリカ合衆国では「24兆ウォン」掛かる――とのこと。
産業通商資源部の安徳根(アン・ドックン)長官は、「チェコ原発はダンピングではない。韓国の施工期間と予算遵守が証明されたために選定されたのだ」と述べています。
次の大統領が、仮に左派・進歩系の人物になれば、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領時代の事績についてほじくり返すことは確実です。仮にチェコ原発が受注・本決まりになったとしても、後から「!」という事実が出てこないとも限りません。
このチェコ原発については、ぜひ後々まで要注目です。
(吉田ハンチング@dcp)