2024年12月23日(月)、韓国の崔相穆(チェ・サンモク)副首相兼企画財政部長官は、朝イチ07:30からF4の全員がそろう緊急マクロ経済・金融懸案会議を開催。
崔相穆(チェ・サンモク)副首相兼企画財政部長官(←頑張っている人)
李昌鏞(イ・チャンヨン)『韓国銀行』総裁(←韓国にはもったいないくらいの切れ者)
金秉煥(キム・ビョンファン)『金融委員会』委員長(←モブキャラ)
李卜鉉(イ・ボクヒョン)『金融監督院』院長(←ボンクラ)
以下が企画財政部が出したプレスリリースです。
↑Googleの自動翻訳なので日本語がヘンなところがありますがご寛恕ください/スクリーンショット– 緊急マクロ経済・金融懸案会議の開催 –
崔相穆(チェ・サンモク)副首相兼企画財政部長官は、2024年12月23日(月)午前7時30分、銀行連合会館にて韓国銀行総裁、金融委員会委員長、金融監督院院長とともに緊急マクロ経済・金融懸案会議を開催し、金融・外為市場の動向および対応策について議論しました。最近の金融・外為市場の状況
先週、米連邦公開市場委員会(FOMC)が利下げペースの調整を示唆した後、韓国を含むグローバル金融市場の変動性が拡大し、主要通貨が軒並み下落しました。FOMC前(12月18日)からの主要国株価変動率(%)(12月19日時点):
韓国KOSPI:-2.0%
米国S&P500:-3.0%
欧州ユーロストックス:-1.6%
日本日経平均:-0.7%FOMC前(12月18日)からの主要国通貨上昇率(%)(12月20日15:30時点):
韓国ウォン:-1.1%
ユーロ:-1.4%
円:-2.2%
中国人民元:-0.2%
米ドル:+1.5%会議参加者の意見
参加者は、国内の金融・外為市場が短期的には変動性を拡大させる可能性があるが、一方向への過度な偏りは将来的に大きな反発を伴う可能性があるため、投資家はより長期的な視点で投資判断を行うなど、冷静な対応が必要であるとの意見を一致させました。具体的な対応策
金融・外為市場の監視強化
国内外の不確実性が高い状況を踏まえ、高度な警戒態勢で金融・外為市場の動向を24時間体制で点検。必要に応じて市場心理を安定させるため、迅速かつ十分な対応を実施。
短期流動性の供給
12月04日以降、『韓国銀行』が総額19.6兆ウォンの短期流動性を供給しており、市場不安時には追加のRP(レポ)買入れを即座に実施。株式市場の需給改善を目的とした3,000億ウォン規模の「第2次バリューアップファンド」を速やかに執行予定。
外為市場の規制緩和
12月20日に発表された「外為収支改善策」に基づき、以下の措置を迅速に進める:外為先物取引のポジション限度引き上げ(国内銀行50% ⇒ 75%、外資系銀行250% ⇒ 375%)。
韓国銀行と国民年金基金間の外為スワップ規模拡大(500億ドル ⇒ 650億ドル)および満期延長(2024年 ⇒ 2025年末)。
外為銀行のウォン用途外貨貸付制限の緩和(中小企業の施設資金用途限定→大企業の施設資金用途まで拡大)。
小規模事業者への金融支援
12月17日に発表されたカード手数料率の引き下げに続き、12月23日には銀行業界による小規模事業者向けのオーダーメイド型金融支援策を発表予定。難局に直面する小規模事業者や自営業者への支援を迅速に進める。
参加者は、内外の不確実性が大きい状況において、市場安定策を迅速かつ効果的に進めるため、政府と民間の協力体制を強化する意向を再確認しました。
皆さん朝イチからスクランブルです。
何をやっているかというと、流動性確保のために緊急会議です。月の市場が動き出す前に対処に対する確認を行ったわけです。なかなか機敏です。さすがに李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁がいるだけのことはあります。
ドルの流動性を確保せよ!
今回の会議で対応策として確認されたのは「ドルの流動性を確保するための施策」です。
プレスリリースで述べられている「外為先物取引のポジション限度引き上げ」はそのひとつ。
外資系銀行はグローバルなネットワークを持ち、外貨調達や送金を含む国際取引で重要な役割を果たします。外資系銀行のポジション限度を大幅に引き上げることで、海外からの外貨供給能力が向上し、韓国内の外貨流動性がさらに改善される可能性があるからです。
ポジション限度引き上げは、外貨流動性を確保し、為替市場の安定化を図るための有効な手段です。特に韓国のように輸出入が経済に占める割合が高い国では、外為市場の流動性確保が経済全体の安定に直結します。
ただし、この措置はあくまでも短期的な安定化策であり、中長期的には為替政策全般を見直し、構造的な課題に対応する必要があると考えられます。
「『韓国銀行』と国民年金基金間の為替スワップの規模拡大、および満期延長」は、市場でのドル不足を防ぎ、為替市場の安定を維持するための措置です。
また、『国民年金基金』は韓国国内で最大の資産運用主体であり、その運用活動が市場に与える影響も大きいため、こうしたスワップ契約は市場全体の安定に寄与します。
これはやはり、ドルの流動性を縮小させないための施策であり、特にドル需要が高まる状況で非常に合理的な対応といえます。
韓国の金融当局がドタバタになっているのはドルが急速に強まった背景があります。以下をご覧ください。ドルの強弱を示す指標「DXY」の推移です。
『FOMC』(Federal Open Market Committeeの略:連邦公開市場委員会)以降でドル強が進み、いったん陰線となりましたが、それでも「107.97」もあります。
韓国が恐れているのは、ドル枯渇状態です。
何度もいいますが、2020年03月は世界的なドル不足状態になり、韓国もそれに巻き込まれてドボン寸前だったところを、『FRB』(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)が締結してくれたドル流動性スワップ(韓国側呼称は「通貨スワップ」)で救われました。
またあのような状態になると困るので、ドルの流動性に神経を尖らせているのです。
(吉田ハンチング@dcp)