2025年07月10日、韓国では2026年度の最低賃金が「1万320ウォン」と決定しました。

↑2014~2026年の韓国の最低賃金の推移。オレンジ色の線は対前年比の増減(%)です。
中国にも最低賃金があるのをご存じでしょうか。
2025年07月15日、中国の人力資源社会保障部が中国全土の最低賃金の基準を公表しました。
⇒参照・引用元:『中国 人力資源社会保障部』公式サイト「全国各省、自治区、直辖市最低工资标准情况(截至2025年07月01日)」
以下が各省市の金額になります。
「月額最低賃金基準」と「時間額最低賃金基準」の2つが示されていますが、簡単にいえば「月給」と「時給」の最低賃金です。
同じ都市・省でも、第1等級、第2等級、第3等級、第4等級と差が設けられています。
これは――中国では、同一省・自治区・直轄市内でも、経済発展度・物価・生活水準に大きな差があるため――です。
都市部・経済中心地では第1等級(高額)
郊外・農村部・経済規模が小さい地域では第2〜第4等級(低額)
――といった形で地域ごとの差を設けているのです。
表組にある北京から新疆まで、第1等級の「月額最低賃金」を高い順に並べてみると、以下のようになります。
第1位 上海……2,740元
第2位 深圳(広東)……2,520元
第3位 江蘇……2,490元
第4位 浙江……2,490元
第5位 北京……2,420元
第6位 重慶……2,330元
第7位 四川……2,330元
第8位 天津……2,320元
第9位 山西……2,270元
第10位 内モンゴル……2,270元
第11位 福建……2,265元
第12位 河北……2,200元
第13位 山東……2,200元
第14位 広西……2,200元
第15位 陝西……2,160元
第16位 貴州……2,130元
第17位 吉林……2,120元
第18位 湖北……2,110元
第19位 遼寧……2,100元
第20位 河南……2,100元
第21位 湖南……2,100元
第22位 黒竜江……2,080元
第23位 青海……2,080元
第24位 雲南……2,070元
第25位 新疆……2,070元
第26位 安徽……2,060元
第27位 広東……2,050元
第28位 寧夏……2,050元
第29位 甘粛……2,020元
第30位 海南……2,010元
第31位 江西……2,000元
第32位 チベット……2,000元※商業が盛んな深圳が広東省から別建てになっていますので、いつもの31省都市ではなく、計32になっていることに注意してください。
中国一の商都「上海」が一番「最低賃金」が高いのですが、それでも「2,740元」ですから、日本円にして「月額:約5万6,635円」※になります。
※日本円への換算は2025年07月18日の「1元=20.67円」で行いました/以下同
では、時給で見るとどうなるか? 同じく第一等級で比較して高い順番に並べると以下のようになります。
第1位 北京……26.4元
第2位 上海……25.0元
第3位 天津……24.4元
第4位 江蘇……24.0元
第5位 浙江……24.0元
第6位 広東……23.7元
第7位 深圳(広東)……23.7元
第8位 福建……23.5元
第9位 山西……23.2元
第10位 内モンゴル……23.2元
第11位 重慶……23.0元
第12位 四川……23.0元
第13位 広西……22.4元
第14位 貴州……22.4元
第15位 河北……22.0元
第16位 山東……22.0元
第17位 湖北……22.0元
第18位 遼寧……21.0元
第19位 吉林……21.0元
第20位 安徽……21.0元
第21位 湖南……21.0元
第22位 陝西……21.0元
第23位 甘粛……21.0元
第24位 新疆……20.7元
第25位 河南……20.6元
第26位 江西……20.0元
第27位 雲南……20.0元
第28位 青海……20.0元
第29位 寧夏……20.0元
第30位 黒竜江……19.0元
第31位 西蔵(チベット)……18.0元
第32位 海南……17.9元
最も時給が高いのは首都の「北京」。「26.4元」ですから、「時給:約545円」になります。
中国共産党が定める最低賃金は、2025年07月01日以降はこうなっていますが、これよりも安い金額で働いている人は多いと見られます。
また、「こんな金額では生活できない」という人も多数でしょう。実際、中国のSNSでは、
「この賃金じゃ、毎日インスタントラーメンすら食べられない」
「え? この金額で最低社会保険料を払ったら、残ったお金でどうやって生活するの?」
「専門家にこの最低賃金で2カ月生活させて、どうやって生きるか見せてもらおうじゃないか」
「最低賃金は会社が抜け道を探すためのもの。
給与のうち最低賃金分だけが正式な給与で、残りは全部業績連動報酬。
残業代もなかったり、あっても最低賃金基準で計算されたり」
――などの不満の声が上がっています。
(吉田ハンチング@dcp)







