なぜ韓国の人は不動産に投資したがるのか その02「これ元手要らなくね?」

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先の記事で、韓国独自の不動産賃貸の仕組み「チョンセ」について紹介しました。先の記事では、一括して貸し主に預ける「保証金」を「物件の売買価格の1/3」と例に出しましたが、これで済んだのは例に出した銀行金利が5%以上だったころまでのこと。物件価格の50%程度を積むのがチョンセの通常の相場観だそうです。

再度まとめますが、チョンセという仕組みは、

・借り手は、貸し主に「保証金」を預ける
・賃貸期間中は家賃はタダ
・賃貸期間が終わったら、借り手に「保証金」は返金される

と、一見タダで物件を借りられ、貸し主は大損するように見えます。しかし、実は貸し主は預かった保証金を銀行に預けて、それにつく利息を儲けるという仕組みなわけです。

これは銀行の利息が十分に高ければ成り立つのですが、さすがに韓国も銀行金利が低下しているので、貸し主にうまみがなくなってきています。しかし、チョンセという仕組みが一般的だったので、韓国の人は「家賃を毎月支払う」という仕組みを「なんか損してる」と思うようなのです。ずいぶん「毎月支払い」が一般的になっているのですが、それでもチョンセの物件があると大人気となるのです。

さて、では銀行金利が下がってもチョンセの仕組みを成立させたければどうすればいいのでしょうか? 簡単ですね。保証金の額を上げればいいのです。

物件価格が3,000万円という先の記事の例をそのまま使いますと、「1/3なら1,000万円」ですが、「1/2なら1,500万円」「100%(1/1)なら3,000万円」です。

●保証金が物件価格の「1/3」で、銀行金利が「5%」の場合
(複利)利益:102万5,000円

●保証金が物件価格の「1/2」で、銀行金利が「4%」の場合
(複利)利益:122万4,000円

●保証金が物件価格の「1/1」で、銀行金利が「3%」の場合
(複利)利益:182万7,000円

このように銀行金利が下がっても、保証金の金額を上げていけば利益を出すことができるのです。「でも、ちょっと待って!」と思うでしょう。そうなんです、

100%出すならその物件買っても同じじゃん!

なのです(笑)。ところが無理やりにでもチョンセの仕組みを維持したい貸し主はなんと「物件価格の120%」というような保証金を提示するのです。こうなると「買った方が安いじゃん!」です。

で、ここまで読まれてこう思われた人がいらっしゃるのではないでしょうか。「待てよ。このシステムって、住宅ローンの金利が銀行金利より安かったら、オール借金、元手なしで金儲けできるんじゃないの?」と。そのとおりなんです!

例えば、3,000万円の物件を住宅ローンで購入します。そして、これをチョンセの仕組みで人に貸します。で、例えば「住宅ローンの金利が1.3%」で「銀行金利が4.0%」だったら? 金利差分を儲けにしながらローンが完済されたら物件は自分のものに。その上、これは借り手さえいれば、働きながらチャリンチャリン自動でお金がたまっていく仕組みです。そりゃみんなやりますわね(笑)。

住宅ローンの金利が下がればみんなやります。ただ、これが「もう、まさに吹き飛びそう」になっているのが韓国なのです。知ーらないっ。オレ関係ないもんねー(笑)。

(柏ケミカル@dcp)

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