冒頭でお断りをいたします。小ネタです。誠に申し訳ありません。
韓国メディア『ソウル経済』が「ばっかじゃなかろか」という記事を出していますので、ご紹介しておきます。
外国人観光客が韓国を訪問して「韓国は不思議だ」と驚くというのです。驚く理由は、中国、日本と比較して喫煙できる場所が少ないから――と主張しています。
「韓国、あまりにも不思議だ」…外国人が旅行に来て驚いた韓国の飲食店文化
ナム・ユンジョン記者韓国人が最もよく訪れる海外旅行先である日本と中国では、飲食店内での喫煙は今なおよく見られる光景だ。
韓国では10年以上前から当たり前となった屋内禁煙が、すぐ隣の国では依然として現在進行形だ。
11日、法務部の出入国統計によると、2025年の韓国人出国者2,955万人のうち、日本を訪れた人は946万人で圧倒的な1位を占め、中国は150万人で4位に入った。両国を合わせれば、年間1100万人以上の韓国人が訪れている計算になる。
ところが、この両国の屋内喫煙文化は韓国とはかなり異なっている。
保健福祉部によると、韓国では2015年から国民健康増進法に基づき、面積に関係なく、すべての飲食店で屋内喫煙を全面的に禁止している。違反した場合、喫煙者には10万ウォン、店主には最大170万ウォンの過料が科される。
日本は2020年、東京オリンピックを契機に改正健康増進法を施行し、従業員を雇用している飲食店・バーでは原則として屋内喫煙を禁止した。ただし、資本金5,000万円以下で客席面積100平方メートル以下の小規模店舗は例外だ。
このため、街の居酒屋や小規模な酒場では、今なお喫煙できる店が多く、食事をしている席のすぐ隣でたばこを吸う客に出くわすことも珍しくない。
日本の喫煙文化は、屋内には寛容である一方、路上には厳しいという点が特徴だ。
2001年に東京で、歩きたばこをしていた通行人のたばこの火が子どもに当たり、失明した事件以降、路上喫煙の取り締まりが強化され、大都市の中心部では歩きながらたばこを吸う姿はほとんど見られなくなった。
中国は法律上、2014年に北京を皮切りとして、公共の場所や飲食店内での喫煙を禁止している。喫煙者には最高200元、取り締まりを怠った店舗の管理者には1万~3万元(約189万~567万円)の罰金が科される。
(中略)
韓国を訪れる外国人旅行者が、飲食店でたばこの臭いがしないことに驚く一方、日本・中国を訪れた韓国人が屋内喫煙文化に不快感を訴えることが多いのは、このためだ。
年間1,100万人を超える韓国人が訪れる両国だが、食事の席でのたばこの煙に対する認識の差は、いまだ縮まっていない。
この記者は日本を訪問したことがないのでしょう、「街の居酒屋や小規模な酒場では、今なお喫煙できる店が多い」と書いています。
中国、日本と韓国の「食事の席でのたばこの煙に対する認識の差は、いまだ縮まっていない」などと誇っています。
この記事は事実誤認と歪曲だらけです。
まず「小規模店なら喫煙可」――について条件を述べきっておりません。
厚生労働省が示している「既存特定飲食提供施設」の条件は、次の3条件すべてを満たすことです。
1.2020年04月01日時点ですでに存在していた飲食店
2.資本金または出資総額5,000万円以下(一定の大企業の子会社等は除外)
3.客席面積100㎡以下
厚労省は明確に「上記3つの条件をいずれも満たしている」ことを要求しています。
記事の「資本金5000万円以下+100㎡以下なら例外」という書き方では、「2020年04月01日時点で既に営業していた店」という非常に重要な条件が抜けています。この条件により、新規にできたお店では喫煙は許可されないからです。
さらに、「例外」という表現にも注意が必要です。条件を満たせば無条件で店内喫煙OKという制度ではなく、経過措置として「喫煙可能室」を設置する選択が認められる仕組みです。
「2001年、東京で子どもが失明」という記述も事実誤認と思われます。1994年01月09日に千葉県船橋市で起こった事件と混同してるものと推測できます。
この船橋市で起こった事件は、船橋市のHP「歩きたばこのない町・船橋を目指す決議」(平成28(2016)年02月21日)で確認できます。
ここには、
平成6年(1994年)1月9日、JR船橋駅構内で、幼女のまぶたに前を歩いていた男性のたばこの火が当たり、救急車で運ばれるという「船橋駅事件」が起きた。
幸いに眼球に異常はなかったものの、火の当たる個所やタイミングによっては失明まで考えられる事件と報じられた。
(後略)
――と書かれています。この記者が書く事件が船橋市で起こった件を指しているなら、「失明した」は自事実誤認でウソです。
この記事は、日本人がまだすぱすぱタバコを吸っているような印象を与えていますが、これも間違いです。
日本人の喫煙率は大幅に低下しています。
2024年の公的統計を確認すると、日本の厚生労働省「国民健康・栄養調査」では、「現在習慣的に喫煙している者」は、以下のとおりです。
男性:24.5%
女性:6.5%
男女計:14.8%
日本よりタバコのにおいがしない――と主張する韓国のデータを確認してみましょう。韓国疾病管理庁(略称「KDCA」)の2024年「地域社会健康調査」によると、紙巻きたばこの現在喫煙率は、
男性:34.0%
女性:3.9%
男女計:18.9%
もちろん、日本の「習慣的喫煙」と韓国の「現在喫煙」は定義・調査が同一ではありませんから、直接比較するのは適切ではありませんが、このような結果であるにもかかわらず、「韓国の方が日本よりタバコのにおいがしない」のだそうですよ。
「日本の飲食店では、食事のすぐ隣でたばこを吸われるのが珍しくない」と書いていますが、ホントに日本を訪問してお店で飲み食いをした経験がある人物なのでしょうか。
まさに「ばっかじゃなかろか」です。
(吉田ハンチング@dcp)





