韓国の中央銀行『韓国銀行』は、ドル不足を解消するためにFED(Federal Reserve Systemの略称:連邦準備制度)と締結した「ドル流動性スワップ」※1をこれまで6度利用してきました。
このドル流動性スワップの利用状況については、FEDが毎週末に公開しています。韓国ではドル流動性スワップを「通貨スワップ」と呼んで喜んでいるフシがありますが、どう呼ぼうが借金であって、期限がきたら利子を付けて返却しなければなりません。
FEDが利用状況を公開してくれるおかげで、韓国銀行が滞納したかどうかはすぐに分かります。
05月15日に公表されたデータで、まず「U.S. Dollar Liquidity Swap – Operation Results」(ドル流動性スワップ-運用結果)を見てみます。
韓国銀行がドル流動性スワップの利用を先週で休止したので、新たな取引はありません。
次に「U.S. Dollar Liquidity Swap-Amounts Outstanding」(ドル流動性スワップ-未払い金額)です。
先週の公表データでは入っていなかった、第6次競争入札で落札された「13億2,900万ドル」が未返済額に計上されました。これで、第1-6次までの利用で供給されたドルで、未返済のものが全て入ったことになります。
「計187億8,700万ドルが未返済」です。
先週も掲載したのですが、一応「定点観測」ですので、この借金総額に対して利払いがいくらになるかも再度挙げてみます。
調達金額 | 利払い金額 | |
第1次調達 | 79億2,000万ドル | 1,654万9,979ドル |
第2次調達 | 41億4,000万ドル | 507万1,579ドル |
第3次調達 | 20億1,500万ドル | 163万4,419ドル |
第4次調達 | 21億1,900万ドル | 165万1,218ドル |
第5次調達 | 12億6,400万ドル | 98万5,504ドル |
第6次調達 | 13億2,900万ドル | 88万8,802ドル |
小計 | 187億8,700万ドル | 2,678万1,502ドル |
※「06日もの」「07日もの」「08日もの」など満期が短いものについてはすでに返却が終わっていますので、これから利払いが発生するのは上掲のもののみです。
上掲のうち、第1次調達分は06月25日に返済となります。韓国銀行がきちんと返却し「未返却金額が減少するかどうか」に注目いたしましょう。
もう来月が06月ですからね。
※1韓国メディアは「通貨スワップ」、時に「通貨スワップ協定」と呼称しますが、紛らわしいのでMoney1ではFRB(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)に従って「スワップライン」「ドル流動性スワップ」と記載します。本稿のタイトルだけはアンカーが韓国の表記に合せて「通貨スワップ」としています。
(柏ケミカル@dcp)