新型コロナウイルス騒動による経済的危機が韓国を覆っています。
05月最終週になって、まずサービス業に現れた打撃が製造業も襲っている、というデータが明らかになっています。
数字で明らかな韓国製造業の危機
韓国の製造業の稼働率は05月になって「68.6%」まで低下しました。
これは「韓国通貨危機」時、2009年02月に記録した「66.8%」以来最悪の数字です。
製造業の出荷も7.2%の大幅下落でこちらも2009年1月以来最悪。
出荷が減っているので当然ですが、(稼働率が低下しているにも関わらず)その分在庫が積み上がっており、在庫率は「119.1%」まで上昇。こちらは「アジア通貨危機」でひどい目に遭っていた1998年以来の最悪水準となっています。
韓国政府はオレたちをもっと助けろ!
韓国メディア『韓国経済』によれば、05月29日に行われた「第3次産業の発展フォーラム」で鄭晩基(チョン・マンギ)自動車産業協会長は、政府支援を拡大するように訴えたとのこと。
記事より一部を引用します。
彼(鄭会長のこと:筆者注)は「基幹産業安定基金40兆ウォンと業種別の特別保証規模などをさらに拡大し、金融死角地帯に置かれた海外現地法人のための特別対策を用意してほしい」と政府に提案した。
先にご紹介した「基幹産業安定基金」(←「債券を発行した」という話が聞こえてこないのでまだ1ウォンもない)の規模を拡大するように提言しています。
文在寅大統領が「韓国の基幹産業7つを守る」とぶちあげた基金なのに、いざ稼働の段階になって「航空と海運の2業種からやります」とトーンダウンしたので、自動車産業協会長としては怒り心頭なのかもしれません。
こっちに「105兆3,000億ウォン」回してくれ!
鄭会長は以下のようにも述べています。
この席でチョン・マンギ韓国自動車産業連合会長は「短期的には、電子通信50兆ウォン、自動車32兆8,000億ウォン、機械15兆5,000億ウォン、石油化学2兆4,000億ウォン、繊維4兆6,000億ウォンなど5つの業種だけで105兆3,000億ウォンの流動性隘路がある」と訴えた。
要は、
電子通信産業:50兆ウォン
自動車産業:32兆8,000億ウォン
石油化学産業:2兆4000億ウォン
繊維産業:4兆6000億ウォン
小計:105兆3,000億ウォン
の「約105兆3,000億ウォンを支援しろよ!」と言っています。
この「5業種だけで」という発言は文在寅大統領への皮肉ともとれます。
「最初『7業種救う』って言ったのに『航空・海運の2業種で40兆』になっちゃったじゃないか!残りの5業種も救えよ。これだけ出せよ」というわけです。
鄭会長の言うことの方がもっともに思われないでしょうか?
ですが……何度もいいますが「基幹産業安定基金」にはまだ1ウォンもありません。これから債券を発行してお金を集めます。
40兆ウォンでも、債券市場からは「ムリじゃないでしょうか」と懸念を表明されているので、さらに「105兆3,000億ウォン」積むのは……いくら借金A GoGo!な文在寅政権も不可能ではないでしょうか。
⇒参照・引用元:『韓国経済』「半導体・自動車生産急減…コロナ、製造業襲った」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
⇒参照・引用元:『韓国経済』「コロナから電子・通信など5つの産業守るには105兆ウォンが必要」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
(柏ケミカル@dcp)