今週も返済日の木曜日となりました。定点観測です。
韓国の中央銀行『韓国銀行』は、アメリカ合衆国のFED(Federal Reserve Systemの略称:連邦準備制度)と締結したスワップライン※1を使い、6回(決済日基準でいえば2020年04月02日~05月08日)にわたって総額「198億7,200万ドル」を調達しました。
ざっくり200億ドル。FEDとの契約では上限600億ドルでしたので、わずか1カ月余りの間に枠の1/3を使ったことになります。
FEDは『韓国銀行』にドルをあげたわけではありません。これは融資の一種であって、返済期日(満期)がきたら利子を付けてFEDに返済しなければならないのです。
満期が「7日」「8日」「6日」の短いものはスグに返済日が到来し、返済しました。
一方、第1次調達分の79億2,000万ドルなど、満期が「84日」といった長いものについては、2020年06月25日から返済が始まりました。
最後の第6次調達分の「13億2,900万ドル」が本日返済日を迎えた、というわけです。
毎週ドルを借りたため、毎週木曜日が返済日という、ちょっと面白い事態になったのですが、それも本日でラスト。
無事に『韓国銀行』が返済すれば、これでドル流動性スワップを使って調達したドルを完済したことになります。
例によって、返済したかどうかは『NY連邦準備銀行』が毎週公表している「ドル流動性スワップの取引状況」で確認できます。
最後の返済総額は「13億2,988万8,802ドル」
本日返済しなければらないのは、第6次調達分「13億2,900万ドル」ですが、これは元本だけの金額。
「83日満期」で「年利:0.2941%」でしたので、元本「13億2,900万ドル」と利子「88万8,802ドル」※2を合わせて返済総額は「13億2,988万8,802ドル」(約1,396億1,172万6,479円)※3になります。
ここまで長い道のりでしたが、これで完済。さすがに「最後の最後で滞納」みたいな面白いことにはならないでしょうが、よくまあさほど規模の大きくない『韓国銀行』が毎週毎週巨額のドルを準備できたものです。
06月25日から本日まで1カ月余りの間に、元本だけで「187億8,700万ドル」をキャッシュで吐き出すわけですから。
韓国にとってキャッシュで約188億ドルというのは相当な額です。なにせ06末時点で韓国の外貨準備には、現金たるDeposits(預金)が「260億ドル」しかなかったのですから。
さて、韓国から巨額のドルがなくなったわけですが――韓国は大丈夫でしょうか。
※1韓国メディアは「通貨スワップ」、時に「通貨スワップ協定」と呼称しますが、紛らわしいのでMoney1ではFRB(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)に従って「スワップライン」「ドル流動性スワップ」と記載します。本稿のタイトルだけはアンカーが韓国の表記に合せて「通貨スワップ」としています。
※2年利を365日で割って1日分の利率を求め、83を掛けて「83日満期分」の利率を計算。これに13億2,900万ドルを掛けて利息額を計算。
※3ドル円換算は2020年07月29日の「1ドル=104.98円」を使用しました。
(吉田ハンチング@dcp)