韓国政府が14億5,000万ドル規模の「外国為替平衡基金債券(がいこくかわせ へいこうききん さいけん)」(以下「外平債」と表記)を発行したと発表されました。
またぞろ「外平債」ですが、本件について『中央日報(日本語版)』に大変面白い興味深い記事が出ました。
以下に一部を引用します。
洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官は10日、韓国政府が14億5,000万ドル規模の外国為替平衡基金債券(外平債)を過去最低金利水準で発行したことについて、
「政府と国民の新型コロナ防疫と経済対応成果だけでなく対外健全性をはじめとする韓国経済のファンダメンタルズに対する海外の評価を再確認でき満たされた気持ち」
と話した。
韓国経済のファンダメンタルズを理解していないから外平債を購入するのではないかとも思われますが、それはさておき、洪長官の「良かった」という安堵の気持ちが読者にも伝わってくる感想です。
確かに金利が安く発行できたのは韓国にとっていいことです。
債券ですので、買ってくれた投資家に定期的に利子を支払い、期日が来たら元本を返すというものですので。世界中で金利安ですからお金を調達するなら今かもしれません。
しかし「満たされた気持ち」じゃないだろ、です。
なぜこのタイミングで外平債を外貨建てで発行しなければならないのか、が問題です。ただでさえ政府の借金が問題になっている時に、海外からの借金を増やすのです。
↑の記事でもご紹介しましたが、韓国メディアですらこの外平債の発行には「なんで今?」と疑問を呈しているのです。
外平債発行で入手した外貨を運用しても収益性は低い
外貨準備がいうとおり潤沢なら外平債を発行する必要はない
(外平債は為替介入用の外貨を入手するためのものなので)今年は満期を迎える外平債がないので借り換え発行の必要はない
という最もなツッコミが韓国メディアから行われており、外貨建て借金を増やす理由が全くないのです。
韓国はやっぱり外貨がないのかもしれません。洪長官の発言は「外貨が満たされた気持ち」なのかも。
(柏ケミカル@dcp)