経済ニュースなどで「デレバレッジ(deleverage)」という言葉が登場することがあります。通常は「レバレッジ取引を解消すること」という意味で、リスクを回避するために、それまでとは逆のポジションでの取引を行うことを主に指します。
例えば、それまではロング(買い)のポジションで取引を行ってきたのに、「デレバレッジを行った」と言う場合には、「ショート(売り)の反対売買」を行ってリスクを解消しようとした、という意味です。
しかし、最近では「中国のデレバレッジ」といった言い方がされることがあります。この場合のデレバレッジは「自己資本を大きく上回るような取引を行なわない」「借り入れを行い、資本金を膨らませて取引を行わない」といった意味です。
いわゆる「レバレッジを効かせた取引」というのは、借金をして資本金を膨らませる行為です。「買い」であれ「売り」であれ、資本金を大きくするための原資が借金であることに変わりはありません。
大きな金額の投資が可能になり、果実は大きくなりますが、リスクも同様に大きくなります。デレバレッジを行うことはこのリスクを小さくしようということであり、とどのつまりは「投資の抑制」です。
ですので、「中国のデレバレッジ」は「中国が国として投資を抑制しようとする動き」ということになります。またこれはうまく進行していません。経済成長を抑制しようとする動きだからです。
中国のデレバレッジについてはまた別記事で触れますが、とりあえずデレバレッジという言葉の意味については知っておいてください。
(柏ケミカル@dcp)