BIS(Bank for International Settlementの略:国際決済銀行)は、国際的に活動する銀行が安定的に存続できるように自己資本比率についての規制を行っています(これを「バーゼル規制」といいます)。各銀行は、これを守っていなくてはなりません。
この規制は、銀行が簡単にドボンにならないように、損失額を見積もってそれに対応できるだけの「自己資本」を持つことを要求しているのです。
この規制の中で、自己資本と定義されるものとして「Tier1(ティアーワン)」「Tier2(ティアーツー)」という言葉が登場します。
英単語「tier」は「層」あるいは「段」などと訳されますが、つまり「Tier1」とは「第一層」を意味し、自己資本の中の基本的なものを指す言葉(概念:以下同)です。また、「Tier2」は「第二層」を意味し、「第一層『Tier1』を補完するもの」を指す言葉です。
・Tier1
⇒自己資本の中の基礎になるもの。
資本金、法定準備金、利益剰余金など
・Tier2
⇒Tier1を補完し、自己資本として認めらるもの(ただし算入要件あり)。
貸倒引当金、有価証券の含み益、劣後債、劣後ローンなど
自行を健全に見せかけるなど、各銀行の勝手な計算を許さないように「自己資本」に組み入れてもよいものを定義しているわけです。
⇒参照:『Money1』「ドイツ銀行、ストレステストをクリア! でも『大丈夫』じゃない!」
https://money1.jp/?p=9181
⇒参照:『Money1』「『ドイツ銀行、バッドバンクを用意』と報道!」
https://money1.jp/?p=9192
⇒参照:『Money1』「ドイツ銀行のナニが危ないのか?」
https://money1.jp/?p=8956
(柏ケミカル@dcp)