『韓国銀行』が2020年11月の国際収支統計(暫定版)を公表しましたので、韓国メディアでは「やった!当月も大きく黒字!」みたいな報道ばかりですが、もう何度だって言います。「不況型黒字なんだってば」と。
韓国経済は輸出によって支えられており、輸出金額がある程度大きくないと成立しない構造になっています。以下は2017年01月~2020年11月の輸出・輸入の推移グラフです。
韓国経済の「もうけ(黒字)」は「輸出 – 輸入」からもたらされます。これが貿易収支です。つまり、上掲のグラフでいうと青いラインとオレンジのラインの差がそのまま貿易収支になります。ですからこの差が大きければ大きいほど韓国のもうけは大きい、ということになります。
「今ココ」となっているのが、今回公表された2020年11月時点です。ご覧のとおり、青いラインとオレンジのラインが大きく開いています。実際の数字は、
2020年11月
輸出:470.2億ドル
輸入:374.8億ドル
貿易収支:95.4億ドル
輸出:470.2億ドル
輸入:374.8億ドル
貿易収支:95.4億ドル
です。しかし、誰がグラフを見ても分かるとおり、輸出は回復してきているのに輸入が全く戻りません。輸入が戻らないために「輸出 – 輸入」が大きくなっているだけなのです。ここ半年ほど同じことをご紹介していますが、こういうのを「不況型黒字」といいます。
ですので、韓国メディアが「貿易収支95.4億ドル!」とかまびすしいかもしれませんが、輸入が全然回復しない不景気の現れなのです。喜んでいる場合ではないのではないでしょうか。
(柏ケミカル@dcp)