韓国『斗山重工業』がアメリカ合衆国に「キャスク」(VCC、Vertical Concrete Cask)の初輸出に成功した!という報道が韓国メディア『亜州経済』に出ました。
『斗山重工業』は韓国の原子力産業の一角を担う企業で、Money1では何度かご紹介しているとおり、日本の『東芝』から盗まれた外付けHDDが渡った会社といわれています(ただし確証はありません)。同社は、『韓国電力公社』『現代建設』などと共にUAEの原子力発電所建設にも関わっています。
今回のキャスク(大だる・たるという意味)というのは、原子力発電所から出る使用済み核燃料を貯蔵するための格納容器です。
『斗山重工業』は、合衆国『Nuclear Assurance Corporation』と2015年にキャスクの共同開発契約を結び、同社から技術移転を受けて2017年に韓国初のキャスク「Doosan-DSS21」を製造しています。その後、キャスクの製品ラインアップを拡充。
今回、合衆国ペンシルバニア州スリーマイル島のTMI原子力発電所に5セットを輸出したとのこと。
輸出成功はめでたいことかもしれませんが、『斗山重工業』のプレスリリースに気になる箇所があるのです。
(前略)
두산중공업은 설계 안전성 입증을 위해 2019년 미국 원자력규제위원회(NRC)에 설계인허가를 신청했으며, 오는 6월 인허가를 취득할 것으로 예상된다.
(後略)『斗山重工業』は、設計の安全性証明のために2019年に米国原子力規制委員会(NRC)に設計許認可を申請しており、6月に許認可を取得することが予想される。
まだ安全証明のための許認可は受けていない、06月に許認可が得られる予定と読めます。
それなのにすでに輸出して大丈夫なのでしょうか? 内容物の流出事故などを起こさない、しっかりした製品であることを祈念してやみません。
PHOTO(C)『斗山重工業』/同社プレスリリースより
⇒参照・引用元:『斗山重工業』公式サイト「斗山重工業、使用済み核燃料貯蔵容器、米国で初の輸出」
(吉田ハンチング@dcp)