韓国の暗号資産取引に強い逆風が吹いています。韓国の金融委員会は、暗号資産取引所にライセンス制を導入することを決定しました。
このおかげで事態は混迷の度を深めています。
ライセンス申請が進まない!
2021年09月25日以降も取引所の業務を続けるためには、金融委員会下の「金融情報分析院」に登録されている必要があります。
登録申請には、情報セキュリティーマネジメントシステム(ISMS/国際規格)に準拠していると認定されていること、銀行による取引者の実名確認(市中銀行に銀行口座を開設しそれと連携できなければ取引できない)などの要件を満たさなければなりません。
ところが、これが進んでいません。
申告期限は09月24日で残り時間は2カ月を切りました。このままいくと投資家に大きな不利益をもたらす可能性があります。
――実は取引所の方でも困っているのです。
銀行が連携を嫌がっている
ネックになっているのは銀行と連携して実名口座を開設するという点です。銀行側は「直接的な過失がない場合は取引所の事故については銀行は責任を問われない」」という免責を求めています。
取引所に何かあったときに銀行が巻き込まれることを恐れているのです。
銀行はこの免責が認められなければ、取引所と連携するための新規口座開設は行わない(行いたくない)という主張をしており……金融委員会側はカンカンです。
つまり、暗号資産取引所が銀行に口座開設・連携の依頼をしても銀行側は「イヤだ」と言い、政府は政府で取引所に「できなかったら取引所として認めない」と言っているのです。
暗号資産取引所は板挟み状態です。
そうこうしている間に申請期限が近付いています。
一部議員からは「暗号資産事業者の届出猶予期間を2021年12月までに延長し、(投資家の)被害を最小限に抑える必要がある」という意見が上がっています。
最小限という言い方に、被害が出る前提なの?といささか引っ掛からないでもありません。
とにかく韓国の金融委員会は暗号資産に対して非常に否定的な見解を出しています。しかし、だからといって投資家の資産について無頓着でいいわけではありません。韓国民の資産なのですから。
国民の資産保護を行わなければならないという視点に立って、現実的な対応を行うことが求められます。
(吉田ハンチング@dcp)