徹夜で交渉。すったもんだの末に……という話です。
韓国では「物流大乱」という事態で、肝心の輸出に影響が出るまでになっています。
こんな時期に、韓国唯一にして最大手の海運企業『HMM』で労働組合がストライキに入るかも……という非常に危険かつトホホな状況になっていました。
2021年09月01日14:00からの会議で激突した労使交渉は、翌02日08:00までマラソン会議を行った末にようやく合意に至りました。延々18時間です。
お互いにヘトヘトになったでしょうが、労働組合側が「スイスの海運界社『MSC』に給料2倍で転職するぞ」と脅していたせいか、かなり労働組合に配慮した妥結となりました。
『HMM』賃金団体協議 妥結結果
賃金:7.9%引き上げ
激励・奨励金:基本給の650%支給
福祉の改善:平均2.7%アップ
賃金:7.9%引き上げ
激励・奨励金:基本給の650%支給
福祉の改善:平均2.7%アップ
韓国メディア『朝鮮日報』の報道によれば、海上労組委員長であるジョン・ジョングンさんは、
「韓国輸出入貨物の99.7%を担当する海運業界の重大な負担を背負い、船員たちは波と戦いながら最後まで守ってきた」とし「コロナなどの過酷な状況でも引き受けた業務で最善を尽くしている船員たちの苦労を国民の皆さんに知っていただきたいし、船員のより良い生活のために船員法が改正されてほしい」
※強調文字は筆者による
と語ったとのこと。
とりあえず一段落ですが、陸上労組の委員長は「今回の合意案は組合員が満足できる賃上げ水準ではない」とも語っているとのこと。まだ火種はくすぶっていると考えた方がいいかもしれません。
さぞかし韓国政府もげんなりしているでしょう。
「最低賃金引き上げ」の件のときにもご紹介しましたが、韓国は本当にこういう交渉が多いです。
(吉田ハンチング@dcp)