今さらかもしれませんが、もう文在寅政権もおしまいなので総括の意味もあるでしょう。
韓国メディア『朝鮮日報』のジョ・ギョンヨプ『韓国経済研究院』経済研究室長にインタビューした記事ですが、①②に分かれた大部ですが、どこを取っても非常に示唆に富んだいい内容です。
Money1でも先に2つご紹介しましたが、今回はこの記事から、「文政権の雇用政策が全く的を外したものであった」とずばり指摘した部分をご紹介します。
後先になりましたが、このジョ室長はマクロ経済の専門家で、以下のような経歴の持ち主です。
ジョ・ギョンヨプ(58歳)
1992~1996年:テキサス大学(オースティン校)経済学博士
1997~2004年:『エネルギー経済研究院』研究調整室長
2004~2006年:『国会予算政策処』歳入分析チーム長
2006年~現在:『韓国経済研究院』経済研究室長
文政権の雇用政策はまるでダメだった
『朝鮮日報』の記事から以下に一部を引用します。
(前略)
――貸付金の返済延期は最終的な解決策にはならないでしょう? 償還が延期されるだけで借金がなくなるわけではないですね?「景気が安定的に回復し成長がない場合、雇用を創出するのは難しい。
雇用がなければ、低所得層は負債を返すことができません。
ですから、経済が正常化され成長があってはじめて企業は良質の雇用を作れます。こうして家計負債の問題は最終的に解決されます」
――政府は直接雇用をたくさん作っていると主張しています。
「今、政府が作っているのは全部アルバイトレベルのものでしょう?
政府が直接出て、いくら所得(政府支援金)を増やしても、労働者には雇用がなく、賃金所得は減っています。1分位世帯(所得下位20%世帯)の所得は減少を続けているのです。
脆弱層が仕事をして収入を増やして、はじめて家計負債の問題は解決されます。
結局、しっかりとした良質の雇用を作ることが最も重要なのです。
仕事を作るするには、「企業が投資することができる環境」を政府が助成することが最も重要なのです。これによって脆弱階層の所得が増え、家計負債の深刻性が減ります」
――政府の対策はおっしゃった方向と大きく異なると思われますか?
「あまりにも対症療法に汲々しています。現金を与えるのに汲々としています。家計負債問題の根本的な解決策を見つけられずにいるようです」
(後略)
全く至当な指摘です。
「鼓腹撃壌(こふくげきじょう)」という言葉があります。
「満足に食べて腹鼓を打ち、大地を叩いて歌い喜ぶこと」という意味で、中国古代・堯の時代に為政者の徳を讃えた故事にちなむ言葉です。
このように庶民が満足に食べていくためには、現在では「雇用」が安定していることが最も重要です。雇用を生み出すのは企業であって、政府ではありません。
文在寅大統領は「雇用は政府が作る」という主旨の発言を行ったことがありますが、そもそもここからおかしいのです。
また、ジョ室長の指摘どおり、おかしな考えに取り憑かれた大統領に率いられた政府は、大企業を目の敵にして、その活動を制限するような法律ばかりを作ってきました。
これで企業が良質な雇用を生み出せるわけがありません。また、政府がアルバイトレベルの雇用を作ってはそれを自画自賛しています。
全く救われない話ですが、これが文政権のやってきたことです。
で、もし李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事が次期大統領になったりしたら、さらにブーストのかかったおかしな雇用政策が進行されるでしょう。
李新大統領は、韓国経済をさらにおかしなことにするブースターショットになるかもしれません。
(吉田ハンチング@dcp)