韓国の輸出の一翼を支えているとされる自動車産業。Money1では何度もご紹介しいますが、韓国の自動車産業は段々に弱体化してきているのですが、それでもまだクリティカルなポイントには至っておらず、現在でも重要な位置を占めていることに変わりはありません。
2020年はコロナ禍による景気が低迷し、自動車産業も売上が下がりました。しかし、2021年は昨年の景気の底から持ち直し、ここまで回復を続けてきました。
しかし、第3四半期に入ってブレーキがかかり、危うくなってきました。先に『現代自動車』の件はご紹介しましたが、今回は『起亜自動車』も同様の事態となっている件についてご紹介します(『起亜自動車』は『現代自動車』グループなのでまあ当然といえば当然)。
2021年10月
国内販売台数:3万7,837台(対前年同期比:21.2%減少)
海外販売台数:18万35台(対前年同期比:18.4%減少)
小計:21万7,872台(対前年同期比:18.9%減少)
国内・海外を合わせた販売台数が「18.9%」も減少しています。しかも、この減少幅は景気が底だった昨年同期と比較した数字です。底よりも下にいっているので、深刻な事態です。
この販売台数の急減は、車載用半導体の世界的不足のために工場の稼働が止まり、生産台数が減ったのが原因――としています。
アメリカ合衆国では中古車の価格が急騰するなど、自動車の需給バランスが崩れています。需要がコロナ禍から急回復しているのに供給が追いつかないのです。このようなときに需要を満たすだけの自動車を生産できないというのは、企業からすれば切歯扼腕する状況でしょう。
韓国の輸出の一翼を担う自動車だけに先行きが懸念されます。
(吉田ハンチング@dcp)